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23 安堵の笑み
ササキは地面に沈んだまま、二度と立ち上がらなかった。
夜の静寂の中、荒い息を吐きながらグラスが呟く。
「……勝った」
その声と同時に、彼の足も力を失い、膝から崩れ落ちる。
ジャスティスは拳を握りしめ、天を仰いだ。
「正義は負けん!」
背後で組長が安堵の息をつき、声をかける。
「よくやった、お前たち」
やがて、神山組の処理係が到着し、組員の遺体や、意識を失ったササキを無言で回収していく。
山頂には縄で縛られた高須も無事見つかった。
グラスは肩で息をしながら、ジャスティスに視線を向ける。
「……ジャスティス、ありがとな。助かった」
ジャスティスは笑って答えた。
「また困りごとがあれば呼んでくれ!」
短い握手を交わすと、グラスとタコ松は事務所に止めてある軽自動車に乗り込み、エンジンをかけた。
夜道を抜け、ようやく小屋へとたどり着く。
木の扉を開けると、ランプの明かりの下で千冬が駆け寄ってきた。
「二人とも、大丈夫ですか!」
千冬の目は、二人の傷だらけの体を見大きく見開かれる。
タコ松は笑いながら手を振った。
「大丈夫リの助!」
グラスも苦笑いを浮かべ、胸を張る。
「この通り、大したことはない」
二人はふと目が合い、戦いの疲れも忘れたように笑みをこぼした。




