22 激臭攻撃
タコ松はにやりと笑い、ポケットからくしゃくしゃの布を取り出した。
「こいつぁ、1週間洗ってない俺の靴下だ」
靴下は見るからに危険物。
タコ松はそれをブンブンと振り回し、毒ガスのような匂いを放つ。
グラスも負けじと胸ポケットに手を入れ、にやついた。
「なら俺はこれだ」
彼が取り出したのは、タコ松の歯ブラシ。
「おい、それ俺のじゃねぇか!」
タコ松が一瞬突っ込むが、すぐに笑みを浮かべた。
そしてジャスティスが堂々と名乗りを上げる。
「なら俺は正義の岩だ!」
彼は直径1メートルはある巨大な岩を持ち上げた。
三人は無言でササキを取り囲む。
最初に動いたのはジャスティスだった。
「喰らえええ!」
巨大な岩を全力で投げつける。
ササキは俊敏な動きで横へ飛び、難なくかわす。
だが、その避けた先にはタコ松がいた。
「そんなに嗅ぎたいのか?」
靴下が一直線にササキの顔面に飛び込み、鼻を直撃。
「ぐっ!」
ササキの動きが一瞬止まり、目がかすむ。
鼻腔を直撃した異臭が、脳天まで突き抜ける。
しかしササキは歯を食いしばって耐え、すぐに三人から距離を取った。
額には汗、呼吸は荒い。
(駄目だ…意識が飛びそうだ)
鼻腔に残る靴下の毒気が、脳をじわじわと侵食してくる。
ササキは舌を強く噛み、なんとか意識をつなぎ止めた。
しかし、その必死の抵抗が仇となる。
すぐ背後まで迫っていたグラスの気配に、まるで気づけなかったのだ。
「隙だらけだぜ!」
次の瞬間、グラスは手に持ったタコ松の歯ブラシをササキの鼻へと押し当てた。
「うっ!」
鋭い刺激と、長年の蓄積による謎の匂いが鼻腔を直撃する。
ササキの視界がぐらりと揺れ、足がもつれる。
「俺に任せろ!」
ジャスティスが大きく踏み込み、渾身の右ストレートをササキの顎へ叩き込む。
ササキの体は宙を舞い、数メートル先の地面へと転がった。
土煙が上がり、その中でササキの呼吸が荒く響く。




