19 最強には最強を
グラスと組長は病院の薄暗い待合室の椅子に並んで座っていた。
組長は深いため息をつき、静かに問いかけた。
「これからどうするんだ…」
グラスは決意を込めて答える。
「ササキを倒します」
組長は眉をひそめ、疑念を隠せなかった。
「お前たち二人でも倒せなかったんだぞ。どうやって勝つつもりだ?」
グラスはスマホを取り出し、冷静に答えた。
「協力者を呼びます」
画面を操作しながら電話をかけるグラス。
「すぐに来るそうです」
しばらくして、事務所の前に一際大きな男が現れた。
黒いスーツに身を包み、鋭い目をしたその男はジャスティスだった。
組長がじっと彼を見つめる。
「こいつが協力者か?」
「はい」
ジャスティスは怒りに満ちた声で言った。
「タコ松がやられたとは本当か!」
グラスは無言で頷き、続ける。
「元神山組のササキってやつにやられた」
ジャスティスの拳がギリリと握りしめられる。
「ササキめ…俺の正義の拳で必ず倒してやる!」
グラスは手早く提案した。
「まずは事務所に戻って、作戦会議をしましょう」
三人は静かに、しかし力強く事務所へと歩き出した。
三人は事務所の重いテーブルを囲み、緊張感が張り詰める中で作戦会議を始めた。
「ササキは化け物だ。刀で銃弾を斬りやがる」
ジャスティスは目を見開いて驚く。
「なに!」
グラスは続ける。
「だから、ササキにお前をぶつける」
ジャスティスは力強く拳を握り締め、叫んだ。
「よし、わかった!」
組長はまだ不安げな表情で問う。
「そんな作戦で本当にいいのか?」
グラスは自信たっぷりに答えた。
「俺が知って人間で一番強いのはジャスティスです」
組長は少しだけ頷く。
「そうか…」
グラスは視線を周囲に巡らせ、続けた。
「それより、また奴が来るかもしれない。警備はさらに強化しましょう」
三人は互いに頷き合い、戦いの準備をさらに進める決意を固めた。