魔法学院へ
ユリアンはアリアと再会した後、アリアの弟子のユリア・レイクロードとして生きていくことになった。ユリアが今の世界で必要なことはアリアが行い、ユリアの新しい人生が始まった。
ユリアを弟子に迎えるというアリアの決定にレイクロードの屋敷の人達は口を挟まなかった。主人が連れてきたのだからきっと信頼ができる人間なのだろうという雰囲気がアリアの屋敷の人達からは伝わってきた。
「君は部下から信頼されているんだね」
アリアに仕えている人達の様子を見てユリアがアリアを褒めると彼女は少し照れながら
「信頼してもらえるように頑張ってるからね」
と短く答えた。
そんなふうにユリアンがユリアとして新しい人生を比較的順調に歩み始め、楽しく過ごしていたそんなある日。
「ユリア、いる?」
部屋の外から声が聞こえたのでユリアは扉に近づき開ける。扉の外にいたのはアリアだった。
「アリア、どうしたの?」
「ついに来たわよ、この時が」
アリアの言葉にユリアは身を強ばらせる。彼女と再会した時に約束した件がついに動きだしたのだ。
「ああ、魔法学院から知らせが来たんだね」
「ええ、あなたに正式に試験を受けるようにって手紙が来たわ。一週間後王都の魔法学院で行われるわよ」
「了解、君の期待に答えられるように頑張るよ」
「ふふ、まああなたの実力なら簡単に突破してしまうでしょうけれど」
「それは買いかぶり過ぎじゃないかな。いくら僕でも気を抜いていたら受からないよ、教授陣が僕の魔法を見るんだし」
「前世の時点で魔法学院の教授達の実力を上回ってたあなたがなにを言ってるんだか。まあなたには受かってもらわないと困るからしっかりね」
「うん、頑張るよ」
(魔法学院か……久しぶりに訪れるけれどどんな風になっているんだろう)
あそこは嫌なこともあったけれどアリアを含めた友人達と出会えた場所でもある。久しぶりに向かう母校に複雑な感情を抱きながらユリアは旅の準備を始めた。
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