ユリアの悩み
「ねえ、アリアちょっといいかな」
アリアの自室で向かいあうユリアとアリア。少し恥ずかしそうにしながらユリアはアリアに問いかけた。
「なに? どうかしたの?」
アリアはそんなユリアの様子に首を傾げながらユリアに尋ねる。当初は心配していたが最近はユリアのほうも学院での生活に馴染んできて楽しそうにしていたから必要以上に干渉しないようにしていたがこの様子だとなにか大きな問題でもあったのだろうか。
(まあ先生をやっててなにか感じたこともあったかも知れないし)
そう思ってユリアに話を続けるようにアリアは促した。ユリアはなおも言うかを悩んでいたようだがやがて重い口を開いた。
「……実はその……なんだか男子生徒からじろじろ見られている気がして……必要以上に注目を浴びてるっていうか……」
「ああ、成る程」
ユリアの言葉を聞いてアリアは思わずそう言ってしまった。
「な、成る程って……妙に納得してるね……」
「まあ、その容姿ならそういうトラブルも起きるわよ」
今のユリアは前世と違って美しい容姿をした少女なのだ、そうやって注目を集めてしまうのも仕方ない面もあるとアリアは思ってしまう。正直、女性のアリアでも羨ましいと思うくらい綺麗な顔、ガラスのように透き通った肌、艶のある髪を今のユリアは持っている。
アリアの回答を聞いたユリアは複雑な表情をした。
「ええと、その僕今まで男だったから分かんないんだけど……女性ってこういうことって結構あるの?」
「まあ、そうね。場合によっては変な人間に言い寄られたりもするわよ」
「うわっ、それは嫌だなあ。アリアもそういう経験をしたの?」
心底嫌そうな顔をして堪えるユリア。今までこういう視線には晒されたことがなかったのだから嫌に思うのは当たり前だろう。そして少し興味が湧いたのかアリアが同じような経験をしたことがあるのか尋ねてきた。
「……まあ、ね。これでも美人の内には入るから」
ユリアの質問にアリアは嫌そうな顔をする。アリアもどちらかというと美人の領域に入る人物だ。それ相応に異性との絡みで嫌な思いをすることはあった。
「ご、ごめん……!! 僕、よくないことを聞いたみたいだ」
ユリアはアリアの反応を見て慌てて謝罪してくる。
「別にいいわよ、まあ私自身も平均から見て美人の類に入るには自覚してるし。でも人より優れたなにかを持つってことはいいことばかりではないわ。それはあなたも分かるでしょう?」
「まあね……これでも僕も前世では魔法のことでいろいろあったからなあ」
ユリアも前世では自分の魔法の才能で孤立しがちなところがあった。どうやらアリアの発言に対して思うところがあったらしい。
「もちろんなにか起きたその時はちゃんと対処しないとね。その……生徒達から変なことはされてないわよね?」
「うん、今のところ直接的に変なことはされてないよ。どちらかというと綺麗なものを眺めているような感じだし変に危害を加えてくるようなことはないから。ずっと注目されてるような状況に僕がちょっと疲れちゃっただけで」
「それは仕方ないでしょ。あなたは前世で男だったわけだしそれで女性になったから発生する問題にいきなり対応しろっていうのも無理な話だわ。今後もなにか困ったことがあったら私に言ってね」
「うん、ありがとう」
にこりと微笑みながらお礼を述べるユリア。その顔はとても可憐で可愛い。この顔で微笑まれたら何人かの男はそれだけで落ちそうだ。女性の自分でもこの笑顔で微笑まれるとどきりとしてしまうのだから男性がそうなってしまってもあまり強く文句は言えない。
しかも当人はまだそういったことにあまり自覚がないようだから余計に面倒くさいのだ。少しを気を付けるようになるだろうけれど油断できない。
(当分の間、私が気を配る必要があるかしら、本当にどんな因果でこんなことになるのかと思うけど。でもやっぱり可愛いのっていいなあ)
どちらかというと勝ち気と思われがちなアリアは困っている相方を眺めながら心の中で羨ましがった。
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