幕間②
「ふふふ」
「あら、とても機嫌がよさそうじゃない」
リーシャ達が人形に勝利したその日の夜、ユリアはとても上機嫌だった。
「え、そう見える?」
「分かりやすかった。なに、授業でいいことでもあった?」
「うん、まあね。今日教えてる生徒達が僕の作った人形を倒しちゃった」
ユリアの言葉にアリアは驚く。
「あなたが作った人形を……? それは凄いわね」
「強さは一番弱いやつに調整していたけれどね。それでも嬉しくなっちゃった」
「そっか」
アリアはユリアが楽しそうに生徒達の話をしているのを見て微笑む。
「あなたのその様子を見ているとこの仕事を紹介して本当によかったわ」
「うん、本当に感謝してる。才能の塊みたいな子達ばかりだよ」
「……あなたを超えるような子もいそう?」
アリアの質問にユリアは一瞬考え込む。少し間を置いて彼女は答え始めた。
「どうだろうね。それはまだ分からないや、でも僕と同じくらいになる子は出てくるかもしれない」
「あなたが素直にそう言うなんてね。意外だわ」
「失礼だな。僕は前から素直だよ」
「馬鹿を言わないで。自分の実力に疑いを持たないで人の話なんて聞かないくせに。好き勝手やるタイプでしょう、あなたは」
「相変わらず辛辣だねえ、アリアは」
「それだけ人に負担をかけてきたことを理解して欲しいわ。さあもう遅いし、今日は寝たら? 私ももう少ししたら寝るから」
「うん、そうだね。じゃあおやすみ、アリア」
「ええ、お休み」
自室へと戻っていくユリアを見ながらアリアはぽつりと呟く。
「本当によかった。あなたが他人に心を開いてくれるきっかけが
出来て」
アリアは残っていた紅茶を飲みながら呟く。
ユリアは前世の時から魔法の才能に溢れていた、その力でついに魔王を倒してしまったけれど同時にとても孤独な人間だった。あまり笑うこともなくただ魔王を倒すためだけに魔法を極めていた、魔法だけが楽しみだったというのもあるだろう。親しい友人もあまりいなかった。
そのためか嫉妬や妬みを受けたことも多い、ユリアは気にしていなかったけれどアリアはそれが悲しかった。必死に戦っている人間にそんな感情が向けられるのが。だからいつも自分以外にも彼を支えてくれる人間がいてくれればと思っていたのだ。
「彼が転生するなんて思ってもみなかったし、脅威に対抗するために生徒の育成を頼んでおいてあれだけど……今回の人生では楽しく過ごすことが出来るようにしてあげたいわ」
そのためなら自分に出来ることをしよう。今の私は無力ではないのだから。彼がもう2度と1人で背負い込まなくてもいいように。
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