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ユリア先生の実践授業

 教員として勤め始めて二日目。今日はユリアが教室に入っても生徒達は昨日のように怪訝な目を向けてくることはない。皆真剣な視線をユリアに向けて来ている。


(うーん、この態度の変わり様。ちゃんと話を聞いてくれるのはありがたいけれどちょっと緊張するね)


 しかし生徒達は自分のことを敬ってくれているのだ、期待に答えられるだけのことはしないと。


「皆さん、今日は魔法の基本から考えていこうと思います。ここにいる皆さんはそんなことはもう分かっているという方ばかりだと思いますが」


 ユリアは壇上に立つと生徒達に呼びかける。皆じっと話を聞いていた。


「さて皆さんに基本的な質問です。魔法とはなんでしょうか? リーシャさん答えてください」

「はい」


 リーシャははきはきと返事をして回答を始めた。


「魔法とはマナと呼ばれる世界を構築するエネルギーに干渉してあらゆる現象を起こす技術です」

「正解、では魔法士がその現象を起こすために必要なものはなんですか?」

「イメージです。こういった現象を起こしたいという明確なイメージを頭の中で思い描く必要があります。そのイメージの差で魔法の威力や完成度も大きく変わってきます」

「完璧な回答をありがとうございます。今、リーシャさんが話されたように魔法において重要なのは現象を起こしたいという明確なイメージです。これがないと魔法は成立しません」


 魔法とは強くイメージを持てるもののほうが強い。イメージするものが弱いと起こす現象も弱いものになってしまう。同じ魔法士でも強い者と弱いものが生まれてしまうのはそれが原因だ。


「実戦においてはなおさらイメージを強く持つことが大事です。皆さんは魔物と戦闘経験はありますか?」


 ユリアの質問に生徒達の何人かは頷いていた。成程、なんらかの関係で少しは魔物と戦った経験があるみたいだ。


「はい、何人かは魔物と戦った経験があるようですね。そういった人達は分かると思いますが魔物と戦う時は精神的に恐怖に支配されやすくなります。そうなると魔法のイメージ構築にも悪影響が出ます、しかし戦闘時においてこれは致命的です。下手をしたら魔法を使うことが出来ず魔物にいいようにやられて死にます」


 生徒の何人かは息を飲む。戦いで死ぬという言葉が恐怖を与えたらしい。実戦経験がないのなら無理もないことだ。


「皆さんの中にはこの学院を卒業後、宮廷魔法士になろうと考えている人がほとんどだと思います。宮廷魔法士の仕事には魔物の討伐も含まれていますからあなた達の中の誰かはが魔物と戦うことになるのは必然でしょう。だから僕が君達を鍛え上げます」

「鍛えあげるって具体的にはなにをするのですか?」

「簡単ですよ。実際にそれに近い状況を生み出して体感してもらえばいいんです」



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