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2部

ランドルナ王国軍は大きく4人の士官を先頭にそれぞれ4軍隊に分かれている。


王国軍の士官はそれぞれが桁違いの力を持つ魔女、魔術師である。

士官が戦場に出るとたちまち辺りに落雷が発生するので、4人は纏めて《4(らい)》と呼ばれている。

その4雷と総司令のみが集められる会議がその日緊急で開かれた。


「集まってくれて感謝する。早速本題といくがこの情報は間違いないのかね?ワシはまだ確認してないのじゃが」

総司令のダグラスが口を開く。


「はい。金庫室が開けられた形跡が残っていました。機密情報の書類などは何も盗まれてはおりませんでした。ただ・・・例の宝石だけが砕けていました」


黒髪に青のインナーが入った女、クロエが答える。

ムチムチに実った豊満な乳房が動く度に揺れる。


クロエの言う金庫室とはボトル金庫塔という国で1番警備が強固な建物内にある金庫室のことである。


ボトル塔はダグラスが将官となって建てられた、軍の扱う機密情報を保管する無人の塔である。

塔の中以外にも建物から半径50メートルには様々な地雷魔術が設置されている。


部外者が入ろうものならまず、この地雷魔術を避けながら進むことになる。


重要機密を盗んで一攫千金を狙う為に侵入を試みる者も稀に現れるが、高度な魔術を前に生還者は今までひとりもいなかった。



「ほっほっ。何をやっても傷一つ付かなかったあの宝石が砕けるとな。てかあそこってそんな脆く出来ていたかの〜」


将官はその乳房を鼻の下を伸ばし、ニヤつきながら見つめる。


「まず塔の中に入れたとしても私達でも時間を要するセキュリティゲートが何層にも連なっています。さらに金庫室の手前は私の感知魔術を張り巡らせているので金庫室のある部屋まで辿り着いた時点で気づけるはずでした・・・」


「そんなこたぁ分かってんだよ」


片目に花火のような刺青の入った男、エルヴが落ち着かない様子で口を開く。


「大体それでなんで入られてんだよ。てかおめぇの魔術がクソだっただけじゃねぇのか?」


「貴様今なんて言った?」


「お前の魔術はクソ!て言ったんだよ」


「なら試すか?このガキが」


クロエが禍々しい目をしてエルヴを睨む。


「そこまでじゃ〜」


総司令のダグラスが怠けた声で場を正す。


「ボトル塔には実はワシもテコ入れしとる。どんな手品を使ったのかは知らんがワシが解除しない限り突破できるはずはないのじゃが・・・んー、まさかな・・・」


「じーさんも術かけてたのかよ、なんでそんなこと俺に教えねぇんだよ」


「ほっほっ。皆のことは信用しとるがもし強力な催眠魔術にかかって対応する余地を与えるのも面倒じゃからの。金庫室の解除はワシにしか出来ないようにしといたのじゃ」


「ちっ!」

ほおずえを付きながら座っていた男はさらに深く頬を押しそっぽを向く。


「で、私は何をすれば良いのですか」

1番ガタイの良い男、レジシアがゆっくりした声で聞く。


「そうじゃな〜まぁそんな慌てんでえぇ。調査が終わり次第そやつを連行する。クロエ、どのくらいで終わるかの?」


「5日以内には判明するかと思われます」


「まぁおっけ〜じゃ。でそれが終わったらその犯人の連行をレジシアに任せようと思うのじゃが」


「なるほど、分かりました。」


「で、お前さんにも同伴して欲しいのじゃが。あの金庫を開けられるほどの手練じゃ、まだ知らぬ実力者がもっといるかもしれん。念には念をじゃ」


まだ一言も発していない4雷残りの1人、ザハに問う。


「はいはい・・・」


押したら倒れそうなほど細い身体をした男は俯きながら、面倒くさそうに答える。


「で、俺はなにをすればいーんだよ、じーさん」


「お主はまた虫が入ってこないように見張っておいてくれ。もし金庫に近づくようなものがおれば・・・」


「やっちゃっていいんだな!」


「そういう事じゃ。では解散とする、忘れ物はないようにの〜。あとクロエは後でワシの部屋でぇ・・・」


「ふざけないで下さい。これから調査なので」


この会議のことを知る由もないアルモンド家では翌日、アリアの術天下が始まろうとしていた。

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