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星夢ノ戦  作者: SCⅫ
日常
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06:「今」の日常‐5 昼食時の先輩

「あ~…」


そんな疲れ切った声を出したのは四時間目を終えた修矢。英語の矢子方先生のせいでストレスが溜まりきっていた。


「ねぇ修矢、一緒に屋上で弁当食べましょう。」


浅木が弁当を荷物から取り出している修矢に対して提案した。


それに対して「いいよ」と返す修矢。


「ヨシッ」っと誰にも見られない位置でガッツポーズをする浅木。


「おっ、それじゃあ俺も一緒に食べようかな。」


その話を聞いていた優が自身の参加を告げる。


「チッ」


舌打ちをする浅木。「ん?」修矢が舌打ちに気付いたこと、に気付いて怒りを抑える。


(この、バカ優!せっかく私が修矢を誘って久しぶりに二人きりでご飯食べようと思っていたのに…)


心の中ではキレているが。


ちなみに去年は最初の一ヵ月は浅木と修矢は二人きりで食べていた。


その後、優に「昼食はいつも何処で食べているんだ?」と聞かれたときに修矢が「浅木と一緒に食べてるよ。」と正直に答えたためそれ以降は乱入されるようになった。…乱入者はもう一人いる。


それは置いといて三人は東棟の屋上に向かう。


天学(あまがく)(天桜学園の通称)では東棟と西棟の屋上が昼休みで開く。


しかし、西棟の屋上が東棟の屋上よりもおよそ四倍は大きいため、屋上で昼食を取ろうとする生徒の大半は西棟で食事を取る。そのため、さっき「屋上で昼食を取る。」という浅木の話を聞いていたクラスメイトは西棟に行っている。哀れなり。(東棟の屋上⇔西棟の屋上は昼食前に往復すると昼食を取る時間が無くなる)


東棟の屋上で弁当を食べる三人。この時はいつも口数の多く、浅木からも常々「(やかま)しい」と言われている優も静かになる。


しかし、来客があった。


「誰だ!私のオアシスで昼食を取っているのは。って天遊たちか。」


「えっ、下弓(しもゆみ)先輩?」

「いつもここで食べてるんですか?」

「ゲッ…」


修矢と優はやってきた白みが強い水色のショートカットの先輩、下弓 (ゆき)の来訪に驚いていた。


もう一人の去年の乱入者である。


彼女は女子弓道部の唯一の部員である。この天学では高等部一年になれば、よっぽど変な部活でなければ部員が一人しかいなくても部を設立できる。女子弓道部は雪が作った部活だ。弓道部があるのに女子弓道部を設立したい、と言ったときには職員室にいた教師一同が首を(かし)げた話は中等部でも有名だ。


ちなみに現状、女弓(じょきゅう)(女子弓道部の略)は雪一人なので雪の卒業と共にこの部は無くなる。部員は集めていない(なんで?)


浅木は苦い顔をしていた。


「それじゃあ、私も食事を共に取らせてもらうか。」


雪は修矢の横で弁当を広げる。修矢と優は何とも思っていないが雪も雪でかなりの美人で、この学園の大抵の男子生徒は雪が隣で昼食を取るとなると、神に感謝する。その髪色と名前から「冬色のヴァルキューレ」と呼ばれている彼女は実は家事が得意なことでも有名だ。


自分の食べたい量を食べた四人は談笑していた。なお、浅木は不機嫌だった。


キーンコーンカーンコーンカーコン


予鈴が鳴り響き、昼休みが終わる。


「それじゃあ世話になったな、神坂兄妹、天遊!」

「やっと行ったわね…」


浅木が心底嫌だったという表情で声を出す。


彼女たちは去年の文化祭のミスコンで一悶着あったため、浅木は雪を敵視してる。


雪も浅木を敵視しているが、どちらかというとライバルと思っているため、少しは仲良くしたいと思っているらしい。


何のライバルかはまだ知れない。


その後、三人は地獄の五六時間目を終え、下校し始めていた。

誤字脱字報告、批評(批判じゃないよ)コメント、よろしくお願いします。

最近、もう一回ギターを頑張ってみることにしました。

次回は4月3日18:00の投稿を予定しています。

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