31:勉強会③
「何やってるんだよ、浅木……先輩……」
優がそんな当然の疑問を口にする。
そして、二人は声のした方を向く。すると……
「何もしてないよ。」
「何をしてるかと言えば何もしてないというのが正解と言える。」
すぐに机に向かい正座して、勉強準備を始めた。
なぜこんなにすぐ態度を翻したかと言えば、それは目線が修矢に向けられていたことから推してしかるべし、というところである。
しかし、キャットファイトは普通に見られているためそこそこに手遅れである。
「で、何をしようか……」
「そうねぇ……とりあえず今回は蝎奈の勉強を手伝う、のが基本だから……」
「うっ……面目ないです……」
「それじゃあ、25分間集中してやって、10分くらい休憩してやるか。」
「あぁ、なんだっけ、それ。一番集中力がきれにくいというやつだよな?」
「はいそうです、雪先輩。少しやってみたくて。」
「それじゃあ、まず何の強化をしようか。」
「それは蝎奈に聞くのが一番じゃないかしら?何が不安なの?」
「国語……」
「オッケー、それじゃあ始めようか。」
それから25分間、分からないことがあれば雪に聞く、という方法で勉強を進めていた。その間、雪は自分の勉強をしていた。
ヂリリリリッリリリリリリ!
修矢がスマホに設定していたアラーム音が鳴る。
「それじゃあ休憩を挟みましょうか。ありがとう修矢。」
「別にいいよ、僕が出来ること少なかったし……」
「それじゃあ俺は菓子類持ってくるな!」
そう言って優は自分の部屋に向かった。
そしてすぐに戻ってきた。
「持ってきたのは、ジュース系のやつと、ポテトチップス。」
「ありがとうございます!ただ……」
蝎奈が、目を向けたのは、ジュース等のペットボトルの中に混じっていた……
「これって単なる水道水だよね?多分、一度凍らせてから、って作った超冷たい水道水だよね。なんで持ってきたの?」
「?そりゃ使うからだよ?」
「あ、そう……って、使う?」
蝎奈が変なとっかかりに関して頭を?にしている矢先、優は自分のコップに1/2ほどコーラを入れ、そこに更に、水道水を入れた。
「!?!?!?!?!?!??!?!?!?!」
「優、あなたまだそれやってたの……」
「だってこっちの方がほとんど同じくらいの味でコーラを2,3倍楽しめるんだからお得だろ?」
「私が去年、文化祭の後夜祭でこれを見た時、どれだけ驚いたか……」
「まぁ意外とちゃんとコーラの味するのがびっくりだよね……」
意外とちゃんと味するらしい。ちなみにちゃんとする。
誤字脱字報告、コメント、よろしくお願いします。
ちゃんとコーラの味がするのはコーラ:水が1:2ぐらいまで。ちゃんと美味しいし、量は多く飲めるからやるとかなりいいよ。
次回は10月30日 18:00を予定しています。
別件で忙しくなりそうなので。