26:特訓と勉強③
なんか隔週投稿みたいになってしまってすみません……
「それじゃあ、自分の望むものを作ることから始めましょう。」
「はい。」
スコーピウスは修矢の真正面に立ち、手元を見ながら指示を出す。
「まずは一つ、何かをイメージして。そうね……武器。武器を一つ思い浮かべなさい。」
「武器、か。……拳銃でいいか。」
頭の中に拳銃を思い浮かべる修矢。
「それを手元にあると考えるのよ。あとはそれを続けること。どれだけ正確に捉えられるかで顕現できるスピードは変わる。………あれ?」
スコーピウスには何が見えていたのか、素っ頓狂な声を上げる。
「……できない。」
「おかしいわね、作られそうになった直前に霧散してるわ。もう一度やってみてくれる?」
「うん。」
しかし、同じように霧散してしまった。
「……思い浮かべてる武器がダメなのかしら?変えてみてくれる。」
「はい。」
今度は刀をを思い浮かべる修矢。しかしやはり霧散する。
また別の武器を思い浮かべる。ロングソード、手裏剣、チャクラム、ロケラン、カトラス、仕込み杖、薙刀、etc……
どれもダメだった。
「え~、なんで?う~ん、修矢君は何か心当たりはあるかい?……修矢君?
「なんで……なぜだ。なぜ、なぜ、僕には何もできない。僕は何時だって無力だ。なんで、僕は無能なのか。だからなのか。」
「ちょっ、修矢君!?どうしたのって……え?」
スコーピウスが闇を吐く修矢の手元を見ると、そこには今にも何かが顕現しようとしていた。
「そうか、負の感情!そうじゃない、私が彼を選んだそれは負の感情だったじゃない。なら……でも……ッ、ごめん、修矢君、こちらも必死なんだ。嫌な気分になるだろうけど、許してくれ!」
直後、スコーピウスはパチンと指を鳴らすと、突然としてそこを海にした。
しかし、修矢は見覚えがある。そして気付いた。
その海は、自分の感情を一極に集中させることができる海なのだ。
そして、彼は沈んでいく。
沈んでいくにつれて、負の感情は肥大した。
彼はその負の感情をすべて手元に集中させた。そして、それは顕現した。
バリンッ
スコーピウスの作った海に亀裂が入った。
「え……まさか……」
バリバリバリッ!
その海は完全に破壊され、その海のあった場所には修矢が立っていた。
金色の柄に碧色と葡萄酒色の宝石が埋め込まれ、刃は空色、切っ先が何故か少し歪んでいるナイフを持って。
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家の事情で、佐渡島に行っていたSCⅫです。
次回は9月4日 18:00を予定しています。




