23:”星夢ノ戦”の流れ
スコーピウスとの誓いの儀を終え、少しだけ体が軽くなったような気がした修矢。
バキッ……
なんか、昨日も聞いたような音がした。
「あ、時間設定調節するの忘れてた!」
スコーピウスは焦ったような声を出した。
「ごめん、明日の夜からスケジュールの話をするから覚えてて!」
圧倒的に困惑していた修矢の視界は暗転し、そのままベッドの上で目覚めた。
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「ん……なんか、すごいことに巻き込まれたんだろうか。」
上体を起こした修矢はそんなことを呟いた。
「そういえば特訓とか言ってたな……やっぱり戦ったりするんだろうか?星夢ノ戦、なんて言ってたし……」
そう言って彼は寝間着を着替え、食卓へ向かう。
「あれ修矢君、さっぱりしたわね。なにかいいことでもあった?」
朝食の準備をしていた夜宵はやってきた修矢を見てそんなことを言った。
「そう見えますか?」
「ええ、なにか吹っ切れたような雰囲気がするわ。」
修矢にその自覚は無かったが、彼の雰囲気はガラッと変わっていた。
まるで悪夢から目を覚ましたかのような。そんな雰囲気になっていた。
(それなら多分その原因は……手がかり、なんだろうなぁ)
修矢は行方不明だった自分の肉親の情報に心躍っている。
彼は内心が親と妹が消えたころから大分ぐちゃぐちゃで気付いていないが、心が躍っている。
(さて、今日も一日、頑張りますか。)
その日の昼間の修矢はやけにノリが良かったと言われている。
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「こっち側でおはよう、修矢君。」
「それは果たしておはようなのか?」
その日の夜、神夢場でスコーピウスに会う修矢。
この日は最初からすでにスコーピウスの姿(肩ほどの赤髪がポニーテールのようにまとまっていて、その頭の頂点で結った先が野球ボールほどの球状に六つになっていて、それぞれ金のリングで繋げられている姿。そして一番先の髪球かみだまの先はまるで針のように尖っている。)だった。
「さてと、それじゃあ改めて”星夢ノ戦”の説明をするよ。
まず最初に神になる以上、そのための人間の枠に入らないことを知らなきゃいけない。その知識力を測るためのテストが大体1か月後くらい。
次にエントリーした子達でチームを組んでレースじみたことをする。
そしてこれらの結果をもとに、それぞれに勝ち点が付与され、その勝ち点をエントリーした子達がタイマンでの勝ち負けで追加されていく。
それを九回戦したら所持している勝ち点の量の上位16名がトーナメント形式で試合を行い、優勝者が次の星神帝になる。
これが”星夢ノ戦”の流れ。」
スコーピウスは淡々と話していく。
「その優勝者が決まったタイミングで、私は君に君の家族の情報を渡す。いいね?」
「ああ、それでいい。」
そう修矢が返すと、スコーピウスは立ち上がった。
「それじゃあ早速、特訓と勉強を始めるよ。」
そう言われた修矢は狐につままれたような顔をした。
誤字脱字報告、批評(批判じゃないよ)コメント、よろしくお願いします。
最近、クソ暑いですよね。つい弟妹に当たってしまいます……
次回は7月31日 18:00を予定しています。