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星夢ノ戦  作者: SCⅫ
始まるファンタジー
21/35

21:交換条件

その後、彼らは屋上に向かったのだが。


ジトーーー


二人は雪と浅木から、とてつもないジト目を向けられていた。


修矢はいたたまれない様で、ずっと優の方を見ていた。


それに対し、蝎奈は「ごめんごめん」と言いながら、雪と浅木と話していた。


「?どうかしたか?」

「ん、別に?」

「あ、そう。なんかすごく暗かったもんだから。」


優は修矢に声を掛ける。


「……ねぇ、優。」

「ん?」

「もし、自分には荷が重い、って思うようなことを頼まれたらどうする?」


現状、修矢に蝎奈の誘いを受けるつもりはなかった。


その理由は言葉の通り、荷が重いからだ。


疑問もあるだろうがそれ以上に、荷が重いのだ。


「そうだなぁ……」


優は考える。


「俺なら、自分が本気で欲しい何かをくれるならやるのかもしれないな。」

「交換条件ってこと?」

「そう、それをやる代わりに自分の一番欲しいそれをもらうぞ、みたいにな。」

「そっか……」


(それじゃあ、僕は何が欲しいのだろうか………)


脳裏に蘇るのはあの日々。


『お兄ちゃん!早く行こう!優くんたちが待ってる!』

『ああ、そうだね。』

『やっと来たか!』

『百合ちゃん、どこ行きたい?』


(間違いない。僕が一番欲しいのは……)


そこまで考えたタイミングで、学校のチャイムが鳴り響く。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


そしてその日の夜。


眠りについた修矢は、気付けばそこ……神夢場にいた。


「決めてきて……くれたかい?」


蝎奈は微笑みながらそれを聞いてきた。


「その前に一つ、聞いていいか?」

「何かな?」


修矢は一息つくと、言葉を続けた。


「君は、もしも僕が参加したとしたら、僕に対して何かできることがあるのかい?」

「……交換条件、ってことかな?」

「ああ。そういうことだな。」

「………」


そこからしばらくして、蝎奈は口を開いた。


「ごめんあんまりできないかもしれない。試しにその条件を教えてもらってもいいかい?」


そして、修矢は間髪入れずにその条件を言った。


「僕の家族、なぜ蒸発したのか、今どこにいるのか。その情報だけでもいいから欲しい。」


蝎奈はその言葉を聞いて、小さくうなずいた。


「それなら多分大丈夫だと思う。」

「それじゃあ……」


この瞬間、修矢は覚悟を決めた。


「僕はあなたの協力者となり、星夢ノ戦に出ることにするよ。全てが終わったら、その情報が欲しい。」


彼はちぐはぐな口調でそう言った。

誤字脱字報告、批評(批判じゃないよ)コメント、よろしくお願いします。

もうすぐでスマホを手に入れられる。

次回は7月17日 18:00を予定しています。

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