15:女子会
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「あれはあんたの本心なのかしら?」
私は思い切って蝎奈に聞く。
修矢に対して今さっき告白した天道 蝎奈に対して少し疑問に思ったことがあったから。
告白をするタイミングで明確に他の意図があると思ったからだ。
別に修矢が告白されることは何ら不思議ではない。
あんなに優しくて、かっこよくて……
あれの方が女子受けがいいのが信じられない。それくらいには修矢はいいところがいっぱいだ。
そんな彼のことを私のそばで明確に好きと言ったのは蝎奈で二人目。
「あ、そうか……私、天遊のことが好きになったんだ。」
去年のミスコン。なんでもトラブった雪先輩を助けた修矢は彼女に好かれるようになった。
そんなこともあって、修矢が好かれるということには何の疑問も抱かない。
美人で有名な、男だってより取り見取りな先輩がそう言ったのだ。つまり修矢はそれほどまでにかっこいいということだしね。
だが、だが!
「だからさ、修矢くん……私と付き合ってくれないかしら?」
あそこまでどストレートに、ほぼ初対面の状態で告白するとは思ってもいなかった。
それに対して彼は今はいっぱいいっぱいで考えれない、と言っていた。
つまりは私が告白しても意味ないってことね。
まぁ、それは兎も角。
彼女には彼に対しての告白に、他の意図があると思ったのは女の直感。
まぁ、こういう恋愛沙汰になると外したことはないのだけれど。
「紛れもない本心。私は彼が好きになった。だから、あなたにも、先輩にも負けない。」
っ!?
この女、私と雪先輩が修矢のことを好きだと知っている!?そんなに分かりやすかったかしら?
「……まぁいいわ。それなら私とは敵、ってことね。私のことは浅木、でいいわ。敵に『浅木さん』なんて呼ばれたくないからね。」
「……ふふっ。」
「何よ。」
「いえ、なんか敵というよりライバル、みたいな感じですn…「敬語。外して」…みたいな感じね。あなた、私の自惚れでなければ少しは認めてくれているでしょう?」
「……まぁ、修矢の良さに気付いたわけだし?まぁ認めてあげなくもないけど?」
私は確かに少しは蝎奈を認めていた。でもその相手に面と向かって言われるのは少し恥ずかしい。
「そうだよな?やっぱり神坂妹は変則的なツンデレだよな?」
!?!?!!?!?!?
急に横から話に入ってきた雪先輩はそんなことを言った。
「そんな感じですよね。なんというか、恋愛相手に対しては素直なのに恋敵に対してツンデレ……かわいいですね。」
「うん、やっぱり神坂妹はなんか可愛い。」
「「まぁただ、負けてやる気は1ミリもない(です)が。」」
この二人、ほぼ初対面のはずなのになんでこんなに仲いいのかしら……
……変則的なツンデレって何よ。
誤字脱字報告、批評(批判じゃないよ)コメント、よろしくお願いします。
これを書き終えたの、今日の朝8時18分
次回は6月5日 18:00を予定しています。