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今日も俺は幼馴染のバストサイズを知りたい(聞き出す事に青春全部かけてます)【幼馴染】もっと違うことに青春かけなさいよッ!!  作者: おみくじ


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25/25

女子とプールや海水浴に行くための条件は?

「そもそも、夏ってそんなに泳ぎたいってならないんだよねっー」


 春奈の発言に、俺は驚愕する。


 夏といえば、海水浴やプール。


 暑い外で楽しく遊べる心身の開放感(特にバスト)が最高だというのに!


 俺は放課後の文芸部の部室で、長机に両肘を突き頭をかかえた。


「ネットで取り寄せた水着カタログが台無しじゃねぇか………」

「………、男子用の?」

「女子用のに決まってるでしょうがっ!」

「爽太は男子でしょうがっ!」

「春奈は女子でしょうがっ!」

「なっ!? わ、私の水着を選ぶつもり!? こ、このばかちんがっ!!」


 なぜ俺の優しさが分からない! バスト大きいと、可愛くて似合う水着探すの大変だろ! だから俺も手伝おうと、ん? でもバストがあれば何着ても可愛さは変わらない? いや! バスト映えや、春奈のバストサイズを知りたいから水着は選ばねばならない! もちろん穂花先輩や結衣ちゃんのもねっ!


 ダブル武田◯也口調で、俺と春奈は水着について言い争いを始める。そんな俺らを、文芸部部長の穂花先輩と、後輩である結衣ちゃんが生暖かい瞳で見つめていた。


 なんでこんな話になったかというと、少し遡らなくてはいけない。


         *


 今日も今日とて、俺は愛しの文芸部員3人(美少女)が集まる部室に行き、皆んなと部活動に勤しんでいた。まあ、何をしてたかというとクーラーのきいた部室で皆んなと楽しく雑談してただけなんだけど。そのときに結衣ちゃんが自然と口にした。

 

「穂花さんや春奈さんは、新しい水着買います??」


 えっ?? という一瞬の間を作った2人にかわって俺が即答する。


「もちろんさ」

「何で爽太が答えるのよッ」


 不機嫌な春奈に、俺は首を傾げる。


「夏は新作ビキニの水着が必須だろ? ふぅー、まったくこれだから春奈は」

「なんで上から目線なのよッ! あとビキニ!! そんなの着ないから!」


 夏のマストアイテムであるビキニを否定するとはゆるすまじき!! 


 ヤングジャ◯プやマ◯ジンとか漫画雑誌の表紙を飾るグラビアアイドル達を脳内再生して自分を鼓舞し、春奈といがみ合うなか、穂花先輩は苦笑する。


「水着で買いたいのがあるの?」と結衣ちゃんに聞いていた。結衣ちゃんは、ん〜、と小さく考えるような声を出しつつ、


「可愛い水着を見ると欲しいなぁって思うんですよねっ。買い物中につい目がいっちゃうんで」


 穂花先輩が「そうねぇ〜」と同調する。


「最近、水着の売り場が多くなってるし。買うかは別として、気になるわよねっ、どんなのがあるかなぁー、って」


 すると、春奈も小さく頷く。


「可愛いデザインや柄は見てて楽しくなりますよねっ」


 うんうん、確かに。俺も同じ気持ちだ。良いよねっ、例えばビキニとか、男子の憧れ。ちと、春奈に投影してみる、じっーーー、うーん………、G? 


「イヤな視線ッ!? 変なこと考えてるでしょ!!」

「春奈とビキニの相性について考えているだけだぞ? うん、いけるっ!!」

「充分過ぎるほど変なことじゃない!! あと何がいけるよ! ほんと最低! 皆んなの反応を見てみなさいッ!!」


 えっ??


 穂花先輩と結衣ちゃんに目を向けると、うわぁぁぁって感じの、まあドン引きでした。なるほど………、こほん、


「じゃあ皆んなで水着を買いに行くということで」


「「「ないないない」」」


 女子達は片手を振りながらの満場一致だった。穂花先輩や春奈、結衣ちゃんに似合う水着を選ぶ自信はあるというのに! 

 

 皆んなでぽいんぽいん楽しく泳ぐプラン(バスト的に)が泡のように消えていく。


 俺の小さなため息から心の声を拾い上げたのか、春奈が呆れたように言う。


「そもそも、夏ってそんなに泳ぎたいってならないんだよねっー」


 な!? なんですって!?


 水着の存在意義を揺るがす問題発言が飛び出してしまい、これが発端となったのだった。


         *


 春奈とひとしきり言い争ったあと、穂花先輩も春奈と同じような気持ちを口にした。


「小さい頃はプールや海水浴ってすごくわくわくしてはしゃいでたけど、もう高校生にもなると、泳ぐのは別に良いかなあって思っちゃうのよね」


 それを聞いて俺はくいさがる。


「でも可愛い水着見つけたら、着て泳ぎたい〜ってなりません?」

「ん〜、多少は思うけど、それを着て泳いでる自分をイメージしちゃうと………、やっぱりいいかなぁって」


 ちょっと恥ずかしいから、と穂花さんはイタズラに笑う。か、可愛い。って、そうじゃない! 皆んな(美少女部員)とぽいんぽいん楽しく泳ぐプラン(バスト的に)を実現させなくては!


 俺は説得を試みる。


「大丈夫ですよ! 穂花さん。皆んな、水着ですから!」


 俺が満面の笑みで告げると、穂花さんは目を細めた。微笑んでいるが冷たさを感じるのは何故だろう。とにかく明るい◯村風ギャグがダメだったか。


 俺が穂花さんを見守っていると、


「そういうことじゃないのよねぇー」


 と、小さくため息をこぼした。


「どうしても周りの人達と見た目を比べちゃうの。自分とは違うところを見つけちゃったら、つい意識して、恥ずかしくなるものよ」


 俺は少し考える。


 まあ、確かに………、人というのは他人とは違うところがあると気にしたりするもんだ。俺が………、バストについ意識が集中するかのように。うむ、穂花先輩………、うんっ、でかいっ、


「ででででっ!?」


 右耳に激痛! 春奈が超引っ張り上げていた、なぜ!?


「犯罪の芽を摘み取っただけよ」

「俺なんにもしてなくないか!?」

「ふーん、そう。穂花さん、どう思います?」

「ぬるいわねっ、芽だけに、目を摘み取りましょ」


「「はーい」」


「はーいじゃないでしょ!? 春奈、結衣ちゃん!! って、暗い瞳で3人とも俺を見つめないで!? なんかやったるでぇ的なオーラ出さないで!! ちょ助けてー!!」


 俺は両手で自分の目をギュッと覆う。ドキドキの恐怖感が心を支配していくなか、穂花さんが苦笑する。


「冗談よ、冗談」

「じょ、冗談でも怖すぎですよ………」


 俺は両手をのける。視線の先にいる穂花さんは、


「ふふっ、イヤらしい視線もなかったらプールや海で泳ぐハードルもさがるのにねっ」


 と、イタズラに笑う。すると春奈も大きく頷く。


「ほんとそれですよ。男子って、女子の水着姿をジロジロ見るし」

「そりゃあ可愛い水着姿は見たくなるだろ」

「そんな純粋な気持ちじゃないでしょ」

「………、はい」

「素直!? そこは嘘でも『いいえ』でしょ!!」


 春奈にまた怒られ、嘘を付けない自分を愛おしく思っていたら、結衣ちゃんが話に加わってきた。


「結衣も男子の目線が気になりまして。仲が良い男子でも、プール行くとなったらどうしようか考えちゃうんですよねっ」

「中学一年の男子なんてまだまだ幼いもんだよ。夏はカブトムシやクワガタのことで頭いっぱいさ」

「それドン引きですけどねっ。まあそうだとしても、プールの話題が出たとき、ちょっと気まずそうにそわそわするのが分かって、結衣も気まずくなるんですよね」


 小学生のときはあんまりなかったんですけど。と、小さくつぶやく。まあ、なるほど。簡単に言うと、


「思春期、っていうやつだよな」

「あっ、ですです」

「爽太がまともなこと言うなんて」

「保健体育が得意科目なのよ、きっと」


「「「うわぁぁぁ………」」」


「いやいやいや!! なんで引くんだよ! てか穂花さん! 俺をおとしめないでくださいよ!」


 ほんとは得意科目だが、ここは嘘をついておく。だって、思春期男子だからねっ!


 こほん、と俺は小さく咳払いする。そして、


「じゃあどうしたら、俺と、というか、男子と一緒にプールや海水浴に行ってくれます??」


 そんな俺の純粋な質問に、まず春奈が噛みついた。


「男子と行くわけないでしょっ。ふん」


 撃沈。


「うーん、まあ………、すごく仲が良かったら無くはないけど。幼馴染が最低条件ねっ、ふふ」


 穂花さんのハードルの高さに撃沈。もはやこれまでか………。


「う、ううっ、ゆ、結衣ちゃんは………?」

「ゆ、結衣ですか? う、うーん………、結衣は………、あっ!」

「ん? どったの?」

「あっ、えへへ、えっとですねっ、結衣は男子とプールや海水浴に行く条件はーーー」


 っと、少しためらいながら、でも、瞳をキラキラさせて、元気よく言った。


「結衣の彼氏になれたら、一緒に行ってあげます」

「えっ??」


 突然の発言に、俺の思考が停止する。彼氏、彼氏、彼氏って………、ってそれ恋人ってこと!?


 結衣ちゃんの顔をまじまじと見つめる俺に、


「か、彼氏とだったら一緒に行きたいです。その、あ、憧れですね」

「ふふっ、簡単に言うとアオハルねっ」

「あっ! ですです!」

「それだったら、話は変わるかも」


 おっ、おっ、おおっ!?


 結衣ちゃんはじめ、穂花さんや春奈の表情はとても柔らか(バスト並みに)で、とても、愛らしかった。つい、見惚れてしまうほど………、はっ! いかんいかん! そうじゃない、今は、


「じゃあ俺! 彼氏になります! いや、ならせてください!!」


 高らかに宣言すると、美少女3人が見つめる。そして、


「私かしら? ふふっ」

「結衣ですかねっ? えへへっ」

「な、なんなのよっ? ふんっ」


 なんという3択。えろげ、こほん、ギャルゲーの主人公みたいじゃねえか。


 ゴクリと、喉が鳴る。


 頭が答えを導き出せないでいる。一つしか選べない彼氏、残りの二つはあきらめるしかない。それは当たり前のことだ、だけど。


 諦めきれない自分がいる。どうすれば、どうすれば………、


 ぽいん、ぽいん、ぽいん。


 ハッとした。俺は、何を迷ってんだ。迷うことなんてないじゃないか。だって俺の叶えたい思いは、


 皆んなでぽいんぽいん楽しく泳ぐプラン!!(バスト的に)


 俺は、声高らかに宣言した。


「3人の彼氏になるっ!!」


「「「…………」」」


あ、あれ? 皆んなの表情が険しく、まるで………、裁判官?


 突然、穂花さんが自分のカバンに手を入れ何かを探して、


「たまたま今日持ってきちゃったの。幼稚園のいとこちゃんがね、イタズラで入れちゃって。でも、持ってきてよかったわ、ふふっ………」


 とっ、カバンから取り出したのは小ぶりの水鉄砲3丁。春奈と結衣ちゃんに一個づつ手渡す。えっ? いや、あの?


「さて、春奈ちゃん、結衣ちゃん、判決は?」


 美少女3人は顔を見合わせてうなずき、俺に銃口を向けた。


「「「銃刑」」」


 勢いよく発射された水しぶき。俺は、ただ耐えるしかなかった。「いやぁぁぁぁ!!」と甲高い声をだしながらさ。


 5分後。


 俺は上半身をビチャビチャにして、1人部室でたそがれていた。置いてけぼりってやつさ。


 俺は椅子に力なく背を預けていて。


 何がいけなかったのか、何が………、正解だったのか。………、あっ。


 俺は自分のカバンを漁る、そして、水着カタログを取り出した。パラパラめくり、そして、分かった。


「まずは皆んなにトレンドの水着を紹介するべきだった………、トキメキ、priceless、ビキニ、男子のロマン………」


 部室の窓から見える夏の夕日に、俺の情熱を乗せて。


「諦めない!!」


 ガラガラガラ。


「えっ!? か、帰ったんじゃ、わ、わわっ!? ご、ごめんなさい!! もうゆるして! いやー!! 俺の水着カタログがぁぁ!!」


 帰ったと思った春奈や穂花先輩、結衣ちゃんが、また俺に水鉄砲を浴びせ、さらに俺の大事な水着カタログにまで。


 この後に残ったのは、水脹れした使い物にならない水着カタログと、半泣きで途方に暮れる俺。


 ぐすっ、女子と一緒にプール、海水浴への道は、険しい。でも、俺、諦めないから! おで、あきらめないからーーー!!


 このあと、戸締りで見にきた顧問の先生に「なんで水浸しなの!!」っと、こっぴどく怒られるのだっだ。

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