神殿
11
「これが神殿か」
『はい』
「長い階段だな」
『はい』
「何か意味があるのか」
『ま、なきにしもあらず、ですね』
「長いな…まぁ上るか」
…はぁ…。
「疲れはしないが、流石に飽きるな。」
…。
「おい天使」
『はい?』
「聞いてんのか」
『あぁ聞いてますよ。ただ私にも貴方のナビゲート以外に雑務も抱えているんですよ』
「そも何故俺のナビゲートを」
12
『私の遊びですよ』
「結構実務的に解説してくれている様だが」
『まぁ、遊びにゃ違いないんですよ。もっとも、実務的な要素が皆無ではないですがね』
「その実務とは」
『教えません』
「やはり、ゲームの仕様に関係することはスルーか」
『はい。ま、この仕様を解いたら、100万ゴールドあげますよ。もっとも、それは多分世界を救うことと関係はないですがね』
くくく…と笑う天使。
「お前やっぱり、性格悪いだろ」
『天使にいい奴も嫌な奴もいません』
「同僚から余り好かれていないだろ」
『どうでもいいでしょう。ま、否定はしませんがね。ま、質問には答えますよ。直接的なものには答えませんがね』
13
『見えてきましたよ』
「ほぉ」
パルテノン(今の時代だとパンテオンと言った方がいいか)神殿っぽい。
『この中にいる神官と話すとジョブチェンジできます』
「因みに今のところ俺は無職なのか」
『あぁ、言ってなかったでしたっけ。今のところ貴方は旅人という職業です。万能型ですよ』
取り柄がないということか。
「ま、裏返せばそうですね。人気なジョブは戦士とか魔法使いです」
神官に話して選択肢を表示させる。
「まものつかい?そういうのもあるのか」
『はい。唯一魔物を従えさせることのできる職業です』
「それにしよう」
『余りオススメしませんよ。その特性を除いて能力の伸びが全体的に低いですし』
「人よりかいい」
『貴方の目的は魔物の全滅なんですよ?』
「まぁそれでもいい」
『止めはしませんけど』
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『これで貴方は魔物使いです』
「何も変わった気はしないが」
『中身は変わってるんです。そして、この階下で仲間を拾えます』
「この世界の人間か」
『正確には違いますね。彼らは貴方のサポートのために存在するキャラクターですから。やはり、この世界の人間の様にHPがゼロになっても死にません』
「気乗りしないな」
『まぁまぁ、ここも大事な処なんですから』
下りる。
『好きに話しかけてください』
[やぁ。俺はボブ。戦士だ。一緒に魔王を倒そうぜ]
[私は魔法使いサリー。あのにっくき魔王を倒しましょう]
[僧侶のジョンだ。魔王を倒さないと]
「なんかがっつきすぎていやだな」
『一律100Gで仲間に出来ます』
「えー、いいよ」
『魔物よりも敵を倒すには都合がいいですけど』
「めんどい」
『そうですか』