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牧場
42
スライムは酒場の中でびくびく震えていた。
「もう大丈夫だよ」
スライムが俺に飛びつく。
「もう、魔物は去っていったよ」
心なしかスライムも悲しそうだ。
「終わったよ。何もかも」
43
『今頃城下町では葬儀が開かれてますねぇ』
『行かないんですか?』
「今、人に会いたくない」
城下町が遠くに見える草原に腰を掛けている。隣にはスライムがいる。
スライムが悲しそうな目で俺を見て、すり寄る。
「お前はいいスライムだよ」
スライムの頭をぽんぽんとはたいた。
「城の近辺でも散策するか」
44
城の裏手に柵で仕切られた馬鹿でかい草原がある。
「ここは…」
『ここが前述の魔物牧場です。』
「何もないな」
『貴方が四匹以上捕まえていませんからね。故に管理人も現在は不在です』
「この牧場はNGOか?」
『一応この国の費用で運営されていますよ』
「ふぅん」
バードが東のほこらとか言っていたな。
「東に行くか」




