城下町1
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門兵が居て。
石造りの門。
んー、城ですな。
『漸くですか。王さまに会って話をききましょう。ホントはここがスタートラインですよ』
「おっ酒場。入ってみよう」
『王さまは』
「待たせておけ」
『王さまに憐れみを覚えるわ。まぁいいでしょう。酒場は基本的に情報のホットライン。有意義に使いましょう』
「取り敢えず生で」
『天使の話きいてる?』
「久々に呑んだわ」
スライムは隣でお冷やをのんでいる。
「よっスライム連れてる変な兄ちゃん」
赤ら顔のオヤジが現れた。
「そいでよ、今日はめっちゃ勝っちまって」
「さいですか」
地下にカジノがあるらしい。
まぁまるで興味が湧かない。
「それでバードの奴がイタズラ者で」
「へぇ」
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酔いがさめちまったな。
酒場を出た。
宿でも探すか?
と、後ろから衝突が起こった。
「おっと兄ちゃん、ごめんよ」
金髪のベレー帽を被っている、イモ臭い少年が言い、そのまま走って去っていった。
「天使ー、処でよ、人間に衝突されてもHPは減らんのか」
『減りませんねぇ。冒険者とこの世界の人間の関係でいうなら。ま、ステータスをメニューで見られるようにしとくんで確認してくださいな』
「はい」
乳首タップ
「んん」
メニュー→ステータス。
うん。HPとMP。取得Gも。って、ゼロG?ホワイ?
あ、あのガキか
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「てめー待てくそガキ。殺す」
「げっマジかよ」
路地裏で追い詰めて捕まえた。
「ここなら誰も見てないな」
「おいおい兄ちゃん目がマジだよこえぇよ」
「言い残すことはあるか?」
「全額返すんで見逃してください」
「んーそうだな。理由次第では」
「オイラはバード」
あぁ。あの酒場のおっさんが言ってたガキか。
「はがねのつるぎが欲しいんだよ」
「なぜ」
「今はこんなだけど、オイラが魔王を倒すんだ。オイラが世界を救うんだ」
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あぁ、英雄崇拝ってやつか。
救えない。掬われるだろうな。
「今は東のほこらに行って鍛えてるんだ。まだ魔物は倒せないがその内に」
無理だろう。
「なぁ兄ちゃん、オイラは、なれるかな?世界の勇者に。諦めなければ、いつかきっと」
叶わないだろうな。そういう甘さを許されるほど、この世界は甘くない。元の世界だってそうだろう。多分だが、どの世界でもそんな夢は叶わないだろうな。
「叶うさ。きっと」
そう言っていた。
「ホント!?」
きらびやかに顔を輝かせる。
あぁそういやこんぼうをまだ売り払っていなかったな。
「はがねのつるぎに見劣りはするが、こいつならくれてやる」
「わー!ありがとう、兄ちゃん。いつか、強くなって世界を救うよ」




