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魔法は研究するものです。  作者: しけたけ
一章 人間族は奴隷らしい。
9/15

報告会

すみません

週に一度と言っていたのですが、少し方針が揺らいでしまいまして、要するにネタ詰まりです。

これからは遅い感覚での不定期投稿になります。

書きだめが充分出来たらまた戻しますのでよろしくお願いします。

 



 世の中の真理は意外なモノだったりする。

 実は空間や時間が歪んでいたり、実はかなりミクロな世界では何が起こるか気まぐれだったり、実は神が世界を管理していたり。

 でもね、

 これはないでしょう。

 目の前には如何にも年頃の少年が描きそうな幾何学模様。所謂『魔方陣』が鎮座している。

 此処は異世界、勿論と言ってはなんだけど魔法がある。

 そして魔方陣もあるわけで・・・

 もう、認めたくないが、本当に、この、奴が、魔法陣の完成形だった。

 本当に世の中何で出来ているか分からないモノである。


「という事は、魔方陣は本来この様な物なのだな?」

 またまた王にプレゼン中。

 今回は時間がないので、資料なども無くぶっつけである。

 因みにまだ王の顔は見れていない。

「はい、こちらの魔法陣は威力は二倍、魔力消費量がおよそ十五分の一に減っている事が確認されています。どうでしょう、実際に目にしてみては?」

「ふむふむ・・・マルウス‼︎」

「はい、何でしょう。」

「これに魔力を流してみろ。」

「はい。」

 教官が前に出て来た。へーあいつマルウスって名前なのかぁ。魔方陣に彼が魔力を流す。うん?前、ナイフに魔力を流してた時に比べてかなり拙いぞ?まぁ、それでもしっかり発動するんだけどね。

 って、え?待って、そのままだと

 ボン‼︎ジジジジ!

「うわ!」

 ほらー引火しちゃうじゃん。

「早く消火しろ!」

 は?

「いやいや無理ですよ?」

「なんだと⁉︎これでは確実に引火するではないか⁈」

「おい!消火班を呼べ!早く!」

 うわぁ、一気に慌ただしくなったよ。まあ一国の城が焼け落ちそうになってるんだもの、そりゃ、皆必死になるか。

 そうのんびりと思ってたら、教官に睨まれた。やっぱりめっちゃ怖!

「流石にそんなヘマはしません。いつも中庭に撃ってますよ?」

「じゃあ何故中庭に行かずに此処でやらせるんだ!」

「そんなの此処からでも中庭に撃てますよね?」

「はぁ?何を言っているのだ!魔方陣の上でしか魔法が出てこないのは当たり前だろう!」

「・・・は?」

 後ろで消火班と思わしき人達の怒号が飛び交っている。



「・・・この様にして他の場所にも魔法が放てるのです。」

「ま、まさかその様なやり方があったとは・・・そしてこの威力でこの必要な魔力の少なさ・・・これならば・・・おい!ドーリと言ったか、これはあとどれ程作れる⁈」

 ふう、一悶着あったがどうにか認めて貰えたようだ。

「は!既に完成している物も含めれば、百個くらいかと。」

 一応魔方陣作成もレベル二になったし。三十分一個のペースで作れるはず。自信満々に答えるが、

「うーむ・・・全く足りない・・・せめてあと四倍は欲しい。」

 ありゃりゃ。でもよく考えたら二千匹だもんな、一門で二匹以上仕留めれたとしてもたかが百の砲台では気休めにしかならない、か・・・

「恐れながら陛下、此処には魔法陣を描く人は居ないのでしょうか?」

「魔法陣は日常の道具としてしか使っていなかった。だから、そういう業者から買い付けていただけなので人は居ない。その業者も、また違う人から買い付けているらしく、職人がどこにいるか知らないらしいからな。」

 むむむ、困ったなぁ。自分が物語の主人公なら此処でいい案が出てくるのだろうけど、生憎そう言うキャラじゃないしな。だから研究者なのだからこう言う時にアイデアが出てこないのはどうなのって言わないで。

 皆でウンウン唸っていたら(実際は王が喋らず、そう言う時は臣下も喋っていけないので唸っているのは心の中だけで謁見の間はめっちゃ気まずい無言の空気が支配していたのだが。)まさかの人から発言が!

「陛下、私に拙案があります。」

 きょ、教官⁉︎

「うむ、なんだ?」

「この際、我が英雄候補達の試験と致すのです。まだ実戦に投入するには少し早計な者も居ますが、それでも少しは持ち堪えられる筈です。その間に魔方陣によって焼き払いましょう。」

「ふーむ、お前の今迄明かさなかった秘蔵っ子達を壁役にするのか・・・大丈夫か?」

 多分、この『大丈夫か?』には色んな意味があるのだろう。死んでしまわないか?その情報が他国に渡ってしまったら?もし此処で成功してしまったら彼等が増長して育成に支障がでないか?と言ったところだ。

「簡単にくたばるような柔な教育はしてませんよ。まぁ、それでも死んでしまったのならそれまでなのでしょう。それに、彼等の天狗の鼻は常に削り切っていますから。」

 うをぁ・・・滅茶冷たい、キンキンに冷えてやがる。

 周りの感じからするとこの案が通りそうだな。

 まだ名も知らぬ英雄達に静かに合掌。お前たちが行く初戦場は多分地獄だ。

「そうか、お前がそこまで言うなら勝算はあるのだろう。よし!その案で行こう、お前!報告大儀であった!魔方陣を直ぐに用意したまえ!大臣達は詳細を詰めるぞ!」

 こうして対策会議は夜動し行われ、遂に国の方針が固まったのであった。


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