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魔法は研究するものです。  作者: しけたけ
一章 人間族は奴隷らしい。
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未曾有の危機 それが霞むハイスペック

すみません。ホントすみません。

スマホの関係でごちゃごちゃしてしまいまして。

 



 今日はまたプルーリル平原に行く日だ。

 蓮らが脱走してからは特に何もなく俺も順調に魔法陣を簡略化していっている。

 未だ余り法則性は掴めていないけど、火と光の魔法は全部写し終えた。

「おーい!こっち準備終わったよー!」

「ふむふむ。これが種というものでこの奇っ怪な金属片が鍬というやつか。ん?これは?」

「肥料というものらしいぞ。なんかこれを撒くと美味しくなるって。」

「ふーん。これが、か。」

「あ!止めろ!それ原材料糞だぞ!」

「っ⁉︎」

「あー!肥料が!幾ら汚いからって切って消滅させる事ないじゃないですか!」

 今回行くメンバーは主任者(と言われた)俺、高原、教官、アメちゃん、龍太。

 悟と梨花はこっちで荷物だけ作ってお留守番である。

 俺も残って研究を続けたいのだけれど、さっきどうやら肥料を消して高原さんにお叱りを受けている教官に来いと言われたので来ざる終えなくなった。チキショウ!

 大体なんだ!『そんなに魔法陣を見つめていても強くならんぞ、研究なんて遊んでる暇があるならもっとこの国のためになる良い案を出せ。』ってご高説たれやがって!

 考えたも見ろ。唯でさえあれだけ不完全な欠陥術式で少なくとも大砲並みの威力が出るんだぞ。それを直してみたら魔力消費が約五倍減ったことも考慮すれば核越えのものが撃てる代物を創り出せそうだ。

 結論

 そこらで剣振っているよりもよっぽど強力になるわ!

 寧ろ強くなり過ぎて教官なんて踏んで痛めてくっちゃくっちゃだわ!

「ほう、何か用か?」

「っ⁉︎ い、いやいや、教官が凄すぎて自分なんかが勝負したら踏まれて殺られてぐっちゃぐっちゃだなと。」

 教官のその貼り付いた笑顔が怖いです。



 いやー外の空気は美味しいぜー。なにせ通気口も無いような室内に一週間籠って居た空気と比べると平原の澄んでる事!

「ふーぅ。スッキリした。かーえろ。」

「待て。わざわざここまで散歩しにきたわけじゃない。今からが仕事だろう。」

「え、えー。や、やだなぁ。冗談ですって。も、勿論解ってますとも。だから襟掴まないで下さいよ。」

「分かっているならいいんだ。」

 そう言って教官は俺を投げた。・・・投げた⁉︎

 いやいや、なんでその場に置かずに横に勢い良く投げるのさ。

 勿論ヒッキーの能力では空中で態勢を立て直すなんて器用なこと出来なっ

 グベラッ!

 綺麗な放物線だと良いなぁ。

 っは!何意味不明なこと言ってんだ。

 観ると妙に行動が過激な教官はさっき投げた奴など知らんと早速鍬を片手に前もって決めた試験農場へ。慌てて自分もそれに続く。

「あのーなんで投げたのですか?」

「決まっている。それがお互い得するからだ。」

 は?訳が分からん。投げられて得する?流石に俺にMで男色なんて特殊過ぎる性癖は無いぞ。分かってたまるか。

「投げる事で腕の筋肉がつく。お前は受け身を覚えられる。ほら、WIN–WINだろ。」

 ほーなるほど確かにそれは無いな。いや、斜め上過ぎてついて行けないよ。人は筋トレ器具では無いって彼は知っているのだろうか?

 平原には沢山の人が集まっていた。

 そりゃそうだ。幾らあんなキチガイみたいな力がある教官でも、一人でこの草原を耕すのは無理だ。

 一人で城を建てろと言っているようなものだ。

 だから、人を雇った。

 今、この国では人口爆発が起きている。それも移民で、だ。よって今働き手は沢山あるが受け皿が無い。

 だから人は有り余っているし、幸い土地もほぼ無限にある。

 だから募集を出せばこの国のニートの半数、三千人が来るとこちらは予想していた。

 想定どおりである。

 因みに、これだけの人数で平原の一割程しか耕せなかったりする。どれだけ広いん?この草原。

「ではこれより、この国家プロジェクトのガイダンスを行う!」

 そうこうしているうちに、教官が説明し始めた。

 まず、今日は農業の仕事を教えてからだ。

 明日から鍬を支給して今日決めた担当区分を耕してもらう。

 時が来たら今城で育てた苗を一斉に撒く。今は春だから順当に行けば秋に米が手に入る。

 そう、米が!

 高原さんの能力で種を創り出せたのは運が良かった。

 ホント良かった。

 悟なんか「神だ・・・」とか言って喜びに咽び泣いてたよ。

 あいつえぐい米好きだからなぁ。前一緒に外国に旅行に行った時に米が食べて無いってだけで幻覚が見えてたから。お陰であっちの出国審査で止められて、散々な目にあった。

 まあ今は旅行すら出来ないのだけれど。



 取り敢えず初日の手応えはまあまあかな。

 飲み込みの早い人はもう一人でやっている。

 他の人も直ぐに覚えてくれると思う。

 何故なら教官の教え方がめちゃ上手い。確かに厳しい口調だけど分かりやすい。かなりきつい事言うけど覚えやすい。とにかく怖いのに、それには何故か人の耳を向けさせる力があった。

「彼は今まで何人もの凄腕を育てている。だから分かり易いのも当たり前なんだ。」

 とはアメちゃんの弁である。但し

「まぁ、彼のせいで毎年志願者が九割程辞めちゃうんだけどね。」

 と、言っていたが

 そんな彼に(強制的に)師事を仰いだ我が親友の心が心配される。

 と、そんな事をぼんやりと考えていると、

「不味いな・・・これは北から?・・・いや、東も?しかもこんなに大量に・・・其々二千程か・・・幸いあと一週間くらい余裕は・・・」

 なんか教官がブツブツ言い出した。え?めっちゃ怖いんですけど。草原の真ん中で目閉じて佇む巨漢。絵になりそうだが、独り言と周りでただ機械的に作業している人(飲み込みが早かった人)のせいでホラーにしか見えない。霧があったらよくあるホラゲーだね。

「あのーどうしました?」

「ん、いや、たった今この国が建立して数百年間の中で最もと言っても過言ではない危機を察知しただけだ。」

「あ、なる程。具体的にどうやって知ったので?僕には全く変化を感じないのですが。」

「そうか?結構はっきりしてるぞ今回は。ほら、これ見よがしに床が振動してるだろう。」

「いやいや無理ですってー。」

 さっすが超人。俺たちには無理。どんなに注意していても気付かないという事は震度1未満の揺れだと思う。震度1の地震は日本で年三千回程。一日十回見舞われてるわけだから、そんな振動分かんなくて当たり前だよね。

 で、何が分かったって?ええと、未曾有の危機がどうちゃら・ ・・え。

「ま、ままままずいじゃあ、ああ、 あ無いですかああぁぁ。」

 横ではアメちゃんが頭を抑えて蹲っていた。

「はぁ⁉︎」

 思わず素っ頓狂な声を出しちゃったけどしょうがないよね。


割と早めに投稿していきます

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