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魔法は研究するものです。  作者: しけたけ
一章 人間族は奴隷らしい。
11/15

一斉射 撃てええぇぇぇ

すみません

不定期更新にします

頑張ります

 



 魔獣との戦いが始まってからどれほど経っただろうか?

 未来ある青年たちが限界を超えて、それこそ弁慶の様に大小様々な傷を負っても戦い続けるのを見つめる事しか出来ず、皆の掌に爪が食い込み、紅くなりかけたその時、遂にこの号令が!

「よし!皆撃て!!」

 同時に英雄候補が一斉に先程完成した壁の前の即席バリケードに走・・・いや、突っ込んで行く。そんな嫌だったかね。

 まあ良い。

 つまり、これは整ったという事で・・・

 突如として燃え始めた魔獣。

 ふと隣を見ると(まもる)が悪魔の様に必至に撃ち始めた。それはそれは、一所懸命ですよ。青ざめながら現代日本人がしないような形相で発動させてますよ。

 ただね、あーーーー、うん、必至で撃ってるとこ悪いけど多分殆ど無駄。重複が多過ぎ。食らった魔獣が跡形も無くなってるじゃん。敵だとしても可哀想な程のオーバーキルだよ。

 持ち場は決めていたのだけれどもなぁ。

 殆ど守られてないなぁ。

 その分、ほら悟の所には一発も行って無い。お陰で教官に羽交い締めされながら何とか後退してってる様な状況になってしまっている。しょうがない。伝令として後ろでなぜかティーセットを広げ紅茶を何時もの笑顔で楽しんでいた梨花に目線で合図を送る。肝座り過ぎてて恐いです。

 察してくれたようで直ぐに念話が飛んで来た。

(どうするー?)

(どうにかして皆を正気に戻してくれる?)

(えー?どうやって?)

(猫被って訴えればいけるんじゃない?)

 多分八割型成功するんじゃない?ドラマやアニメの統計取ってないから分からないけど。

(・・・まぁ、ドーリがそう言うなら正しいんだろうけど・・・。)

(何か問題でも?)

(いやーまー無いっちゃ無いけどなんかーアレと言うかー)

(じゃあ良いじゃん。)

(・・・はぁ。やっぱマルウスさんの事言えないよードーリは。)

(え?)

 マルウスって誰?とは聞けなかった。何故なら

(皆正気に戻って!)

 うおっほう!

 ヤベーめっちゃでけー!

 鼓膜とか通さずに脳に直接来るから頭の神経が切れる!切れちゃう!

 ・・・念話って脳に直接情報を伝えてるんだー・・・。

 全員この状態になったらしく横の守も片眼を瞑り片手で額を抑えている。事情を知らなければ突然片眼を抑えて蹲る正に厨二病の動きだ。完璧だ。

 皆も似たり寄ったりで今、ある人は両手でこめかみを押さえつけ、ある人は後頭部の毛を必死に掴む。そう、此処は悶絶展覧会と化している!

 兵士さん・・・やめてくれ。その眼差しは・・・胸に来るもの(主に羞恥)がある・・・。

 唯、これにも(想定していなかったが)効果はあったようで、

 守君が指示を出し始めた!

「各自事前の持ち場通りに!大丈夫!魔法は効いているぞ!」

 よしよし、その調子。

 そもそもこの魔法陣一撃で理論上は鉄が融解するからね。そんな動物如きでは防げんよ。ハッハッハ!我が自慢の兵器(研究成果)の前に塵も芥も残さず消え去るが良い!

「よし!半分は減ったぞ!このままいける!勝てるぞ!」

 ・・・アカン、守、それフラグや・・・。

 いや?でも順調に減っているし、心配することは無いかな?フラグも実際にはあくまで文学上の物だし・・・。

(いやいや!それこそがフラグだよ〜!)

(そんな事はない!フラグという現象は科学的に立証されてない!)

(確かでも、トーストはバターを塗った面から落ちやすいって論文が〜・・・。)

(結局あれは思い込みって結論だったはず!よって大丈夫!)

(でも、さっきから君の傑作、あの魔物に通じてなく無い?)

(・・・)

(・・・)

 ・・・そうなんだよねぇ、フラグは実在するしないとか下らないこと言ってる時から十発ぐらい撃ち込んでいるんだけど、傷一つついて無いんだよねぇ、あいつ。熊型の魔物でここから見た限りあの毛皮も金属光沢は無いし、有機物だと思うんだけど・・・二千度超えてる熱で炙り続けて焦げ目一つないって、彼奴の皮膚は一体何で出来てるんだ!?

 是非とも欲しい、解析したい!いや、よくみると全身に魔力光が観測出来るな・・・てことは、あの表皮は魔力を通すと丈夫に成るのか?ほー、良いものが見れたな・・・なんて言ってる場合じゃない!現実逃避する暇も無くなってきた!さっきから粗方焼失させ余裕がある班にも援護して貰ってるんだけど、減速すらしねぇ・・・。

「ば、っ馬鹿な!僕の傑作が、通じないなんて!」

「そ、そんなこと言ってる場合か⁉︎早くあのバケモンを足止めするんだ!」

「いーや無理だね!アイツ、この烈火が痛痒にもならんと理解してやがる!ほら、あれだけ喰らっても未だ悠々としているのが証拠だ!」

 思わず叫ぶ。やべぇ、ギャグ挟む余裕も無くなってきた・・・。

(あんたからギャグとったらただの珍妙なやつになっちゃうじゃん・・・。)

(いやいや!それ笑い要素取り切れてないからね⁉︎そんな頑固な物でも無いからね⁉︎)

 水洗いで綺麗に落ちますよ!

 ってか、こんな中でまだ紅茶啜ってる梨花さん豪胆すぎじゃねぇか⁉︎目の前に危機が迫ってるのに華のような優雅さよ・・・名は体を表すんだなぁ。

(何にせよお約束(旗回収)は立証されたから当然この後は・・・お約束(英雄の登場)が待っているよね!)

 自信の源ざっつ!!

 そんな迷信めいた物だけであの貫禄だと⁉︎普通の人には出来ねぇよ!痺れる憧れるモブが湧くよ!大体さっき英雄候補は精魂尽き果てて、今の状況にも気付いていない奴もいるぐらいだよ⁉︎あの鬼教官なら『構わん、やれ。』とか言い出しかねんが、多分あれなら俺らが出張った方が戦力的にはましだよ!

 第一俺の力作が踏み台に成るなどありえん!この魔法を超える威力を出す奴はあの候補生(屍のようだ)にも居なかったんだぞ!それこそ『ぜったいもやす』とか、『ぜったいきれる』とか反則でも使う奴が、ピンピンしてない限り超越する事は不可能・・・あ。





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