最初の場所?
さて、隊長さん達はランチの後、お仕事に戻って行きました。
美味しいランチでした!それ以外に感想はありませんとも!ええ!
「よし、次はどこに行こうかな?観光と言えば…やっぱり教会かな!」
日本で言えば、神社仏閣。ヨーロッパで言えば、大聖堂。つまり教会だ!
どこの国でも寺院や教会は人気の観光スポットです。
んー、場所は…聞いてみよう!
「あのー、すみません」
「え?あ、はい」
目の前にいた女の人がくるりと振り向いた。
「道をお聞きしたいんですけど、いいですか?」
「いいけど…あなたプレーヤーよね?マップに載ってない場所は、私も分からないかも?」
マップ?おお!そっか、これゲームだから、地図機能あるよね!忘れてた!
今までその辺の街の人達に聞けば教えてくれたから、そんな機能使ってなかったよ!
「えっと、教会なんですけど…」
「それなら、マップに載ってるわよ。マップを縮小したら広範囲が表示されるから、場所を設定してナビ機能を使えば簡単に着くわよ」
おお、親切。すごく丁寧に説明してくれました。いい人です。
だが、しかし!
「マップ……見れません」
ステータス画面のマップのボタンがグレイアウトして押せないのだ。
「え、見れないの?システムエラーとか?もう一度ギルドで設定し直した方がいいよ。それでも駄目ならヘルプ機能で運営にコールしないと」
おおー、重要ワードきましたよ!
"もう一度ギルドで設定"ということは?
もしかして?あれれ?
「ギルドって行かないと駄目なんです、ね?えっと、すみません」
私の言葉に、心配そうだったお姉さんの顔が、呆れと不信の混じった表情に変わる。
「え、…え?ホントに?嘘でしょ?あ、そっか、今日から始めたのね。すぐに戦闘に行っちゃったとか?じゃあ、仕方ないか」
お姉さんがなんとか好意的に捉えようとしてくれています。
マジですみません。ホントに。
ここは、今日から始めた設定にしとく?いや、駄目だろうな。
「いえ、今日、ではないですね、はい」
更に戦闘にも出ていない。いや、そもそも外に出てないです。街中を観光してたからね!
……
ち、沈黙が重い!重いよ!
「ハァ、まあ、どんな風に過ごそうがその人の勝手だもんね。でも、流石にギルドには行った方がいいよ」
「はい、そうします。ありがとうございます!因みに、ギルドってどこに?」
ではでは、場所は変わりましたが、最初の道を聞くという作業に戻りましょう。
「うん、そうよね…(気づいてたら、もう行ってるわよね。最初に)」
私の言葉に、お姉さんが何やらブツブツと小声で呟いています。
「あのー」
「最初の場所よ」
お姉さんが一言、簡潔に述べられました。
「え?」
「だから、ギルドの場所はこのゲームで最初に降り立った場所よ」
「え?」
ええー!?