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赤と黒、そして光  作者: 水島順太郎
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序章~はじまり、新しい地へ~(7)

「わかりやすい入口だなあ」

母から聞いていた入口の目印になる大きな赤い門とは、今目の前にあるこれのことで間違いないなと思いつつ、そういえば赤い色をしていると母親が言っていたのをようやく思い出し、近くに行って確かめてみる。

門の近くに行くと、確かに赤い色をしていたが、明かりがあるとはいっても、まだまだ薄暗い状況と相まって、なんだか少し不気味な感じがした。

この門をくぐるといよいよ祷福村。俺の新しい故郷である。少々、いや大分不安はあるが、こんなところで突っ立っていてもしょうがないと、勇気を踏み出して、新天地への第一歩を踏み出す俺だった。

村へ入ると、人の姿は見当たらなかったが、山の奥深くというイメージとは違って案外明るかった。それは等間隔で置かれた、赤い門のところにあったのと同じ電球式の街灯のおかげであり、またところどころの民家から聞こえてくる晩御飯時のにぎやかな声のおかげでもあった。

辺りの民家を見渡してみると、昔ながらの古風な家が多く、広い敷地に大きい家という田舎にありがちな構造の典型であると、もう完全に暗くなった空の下でも十分に見て取れた。また、東京ではあまり見られない平屋の家も多数見られ、本当に田舎に引っ越してきたのだなと実感させられる。

今日から俺がすむ母方の祖父母の家は、入口の赤い門をくぐってまっすぐ行けばいいと教わっていたので、その通りにこれまで進んできたが、家がたくさんあってわかりづらい。

「そういえば・・・」

村の中心には神社があって、神社に一番近い家が祖父母が生前住んでいた家だと母が言っていたのを思い出す。

いろいろな情報をあれこれ一気に言われたので、若干記憶に混乱が生じているが、とにかく思い出せてよかった。

そう思いながら数多くある民家を通り抜け、また家の数が少なくなってきたころ、前方に神社の入り口らしき大きな鳥居が見えてきた。

神社の入り口についても、例によって今まで見てきたのと同じ街灯が設置されており、遠くからでも鳥居の存在は確認することができた。

鳥居の前まで来てその大きさに感嘆の声を漏らしつつ、自分の新しい家はどこかと周囲に視線をめぐらせてみる。

「あれか・・・?」

神社に一番近い家、というのが大きなヒントになったのか、神社の周りにも比較的多くの民家が並ぶ中でも、それは容易に見つかった。

ある一軒の民家の前で立ち止まり、ゆっくりと見上げる。

さすがにここには街灯がないため、薄暗くてよく見えなかったが、割と大きな家であることは間違いなかった。構造は二階建て。慣れない平屋でなかったことに安堵しつつ今度は視線を下に下げて表札を見てみる。


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