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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第1章・戦国に生まれて
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第7話・新たな門出、毛利の飛躍

今回は結構飛ばしました。

父上が死んでから数日が立った。

毛利家の新当主には兄の幸鶴丸がつき、後見には祖父の毛利元就がつくことになった。


【永禄6年・毛利元就】

隆元が死んだ、か。

わしより先に死ぬなど、親不孝者が。

だが、わしがこの調子でどうする。

これでは尼子を倒せんではないか。

わしは諸将の前で高らかに宣言する。


「隆元への追善は尼子氏の撃滅のほかになし」


今こそ、白鹿城総攻撃の時。


【永禄6年・毛利興丸】

父上が死んでからも、なぜか毛利軍の士気が高くなっているらしい。

なにやら元就の爺さんが宣言したらしいが、そこまではこの日野山城には入ってこない。

いや、今そんなことを考えている場合ではない。

兄上が当主になった今、兄上が史実通りの人なら毛利家がどのようになっていくのか・・・

これは俺としても、なにか対策を考えておかねば。

だが今の俺にできることといえば、剣術の稽古か、城の雑用くらい。

元服までは最低であと5年はあるからなぁ。

まあ、小さなことからコツコツと頑張っていかないといけないってことか。


【永禄6年・毛利元就】

今日、いよいよ白鹿城、総攻撃の日か。

兵の士気の上がりつつある。

これは、行ける。

準備は整った。


その日、毛利軍2万は白鹿城へ攻め入り、小白鹿城と呼ばれる出丸を占拠した。

だが、本丸を占拠するには至らなかった。


「尼子方の援軍は何とか追っ払ったが、結局本丸は占拠できんかったか」

「ですが奴らの士気は確実に低下しております。

 これなら簡単に下すこともできましょう」

「そうだな。元春」


これで尼子撃滅も、一歩近づいたな。


その二か月後、白鹿城は降伏した。



【永禄8年・毛利興丸】

父上が死んでから2年、とうとうこの時が来た。

兄上の初陣だー。

その前に兄上は元服し、名を輝元に改めた。

そして今日、叔父上とともに月山富田城攻めの一員に加わるらしい。

俺はその見送りとして兄上に呼ばれた。

以外であった。

兄上がどうしてもといっていたらしい。


「興丸、久しぶりだな」

「お久しぶりです」

「そんなに改まらなくてよい」

「は、はい」

「それでは、行ってくる」


俺もあと3年で元服か。

ていうか、なぜ兄上は俺を呼んだんだ?


【永禄8年・毛利輝元】


「輝元、なぜ興丸を呼んだのだ?」

「あのものはわしの唯一の兄弟です。大事にするのは当たり前でしょう。叔父もそうでしょう」

「それだけか?」

「それだけです」


本当はそれだけではない。

あの日のこと、一度も忘れたわけだはない。

何処からか来たあの興丸に俺は負けたのだ。

あいつを近くに置き、我の偉大さをわからせる。

それがあいつを呼んだ理由だ。

あいつを大事になどせぬは。


【永禄9年・毛利興丸】

‘尼子義久降伏’

この情報は中国地方に駆け回った。

これにより、尼子家は滅亡。

尼子義久は毛利家に捕らえられた。


尼子家を下したことにより、毛利家は中国地方の覇者となったのだが、

本当の戦いはこれからだった。

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