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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第4章・播磨動乱
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第38話・荒木も起つ

今日は連載開始1周年なので2話目の投稿です。

【天正6年・荒木村重】


「皆の者、我が荒木村重は、

 織田信長から離反する」

「と、殿、何をおっしゃっているのですか」

「さっき言った通りじゃ。

 信長はこの村重を軽んじているとしか思えぬ。

 本願寺も、毛利も、普通ならわしが方面指揮官になるはずが、

 その座も信盛と秀吉に奪われ、しかも今度はその秀吉の援軍に行けと。

 わしは信長に仕えるのにほとほと疲れた。

 幸い、今は播磨の別所殿も織田と戦っている。

 この機を逃して織田を討てる絶好の機会があるか。

 皆にはぜひ、この村重についてきてほしい」

「殿がそこまで言われるのであれば、

 我ら家臣、止めるわけにはまいりませぬ。

 我ら家臣一同。殿に従いますぞ」

「皆、頼んだぞ」

「はー」


【天正6年・織田信長】


「なに?村重が裏切っただと」

「はい、摂津に残した我が配下の者が伝えに来ました」

「光秀、そのようなことがあり得ると思うてか。

 村重はわしが特に信用している将じゃ。

 そのようなものがわしを裏切るとは、

 光秀、お前は何を考えている」

「いや、それは・・・」

「よい、信盛に確かめさせる。

 光秀、お前は下がっておけ。

 そしてその配下に伝えておけ。

 今度そのようなことを伝えに来たら、命はないとな」

「は、ははー」


【天正6年・志方城】

ここでは、織田軍による別所攻めの評定が開かれていた・・・・・


「信忠様、ここは城を一つ一つ落とし、

 三木城を孤立させたうえで兵糧攻めをするのが得策かと」

「羽柴殿、そのような時間のかかる策を取っていては信長様がお怒りになるぞ。

 ここはある程度周りの城を落としたところで、

 一気に城に乗り込んだほうがよろしいと思います。

 まさか敵も、支城をすべて落とさずに三木城を攻めてくるとは思いますまい」

「そのほうが、逆に三木城を落とせませぬ。

 三木城を攻めているときに支城から敵が出てきたらどうするか」

「なんじゃと。農民上がりの分際で」

「なにっ」

「羽柴殿も滝川殿も止めぬか」

「申し訳ございません」

「大変にございます」

「どうした三成。今は大事な評定中ぞ」

「申し訳ございません。しかし火急の様にて」

「火急の様とはなんじゃ」

「秀吉様、この書状を」

「ん?なになに・・・

 な、なんと」

「秀吉、大将に書状を見せぬとは何事じゃ。

 見せて見ろ。

 何と書いておるのだ・・・

 荒木村重が裏切ったと!」

「えっ」


この評定の場の空気が、一瞬にして変わってしまった。


【天正6年・足利義昭】


「隆景、久しぶりじゃな」

「はい。長い間こちらにうかがえず、申し訳ございません」

「隆景、毛利の軍を播磨から撤退させたようじゃな。

 この足利義昭に断わりもなく」

「それは申し訳ない。

 ただ、毛利にとっては必要な判断でした」

「そうか。だが心配はいらぬ。

 そこは儂がちゃんと手配しておる」

「手配とは?」

「のちにわかるは。

 ハッハッハッハッハ」

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