第27話・隆景の策略
どうしても大河の影響が・・・
【天正5年・小早川隆景】
「小寺は調略に応じないか」
「はい、特に小寺家家老の小寺官兵衛については頑としての様で」
「仕方あるまい。ではまず播磨の者どもの実力はどれほどか。
小寺を使い調べてみるか」
「攻めるのですね」
「恵瓊殿は別所のほうに行ってください」
「承知しました」
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「上陸じゃー」
「「おーー」」
我々は播磨の小寺家の御着城にほど近い室津に上陸した。
「隆景殿、これから?」
「もう少し御着に近づきます。
英賀のほうに陣を置きます」
「承知しました」
さあ、播磨の真の実力、見せてもらおうか。
【天正5年・小寺政職】
「毛利が攻めて来ただと」
「はい、室津に上陸し、現在こちらに近づいているとのこと」
「どうする、官兵衛」
「しばらく毛利がどのように動くか見ておきましょう。
今すぐこちらに攻めてくるとも思えませんし」
「そ、そうじゃな。
とにかく、軍備は整えておけ」
「承知しました」
織田が来る前に毛利が攻めてくるとは。
わしは判断を間違えたか・・・。
【天正5年・羽柴秀吉】
「なにっ、毛利が播磨に攻めてきただと」
「はい、官兵衛殿からそのように」
「秀長、まだ準備はできんのか」
「与力の者どもの準備がまだのようです」
「くそっ。官兵衛、どうか耐えてくれ」
【天正5年・小早川隆景】
「兄上、これからどのように?」
「そうだな。これだけの兵力の差だ。
一気に攻めて、一度小寺の実力を見たい」
「そのようなことをするなら、
策を練って確実に倒せるようにしたほうが兵も失わずに済みますし」
「これは勝つための戦いではない。
あくまで相手の力量を見極めるための戦いだ」
「では、仰せの通りに」
【天正5年・毛利元広】
「叔父上、どうしましたか」
「元広か。これを見てみろ。
隆景からの書状だ。これには軍を分けて戦うより、
支配層が薄い播磨を集中的に攻めるほうが得策、
一度小寺を攻めておくからその間に播磨に軍を移動しておけだと。
自分でこの策を提案しておいてなんの言いぐさだ。
わしは但馬でやっておく」
「叔父上、ここは書状の通りにしていたほうがよいのでは。
支配層が薄い播磨を攻めるのが得策ということには一理あります。
それに、軍はひとつにまとめたほうがやはりいいのでは?」
「そういうか元広。
お前も随分立派になったの。
わかった。軍を播磨に移動しよう」
「はい」
これで何とか軍をひとつにまとめられそうだけど、
このままじゃ史実と同じ感じになってしまう。
これからどうするか・・・。




