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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第3章・織田家襲来
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第24話・毛利の勢い、信長の怒り

【天正4年・足利義昭】


「隆景殿、それは左様か」

「はい、本願寺に兵糧を運び込みます」

「そうか、そうか。

 隆景殿、あっぱれである。

 毛利家が動けば儂も鬼に金棒じゃ。

 期待しておるぞ」

「はっ」


信長よ。

毛利を敵に回してどう戦うか?

尾張に逃げ帰るか?

後悔してももう遅いぞ。


【天正4年・毛利元広】


日差しがきつくなっているこの頃、

俺はしつこい攻撃を続けてくる尼子残党の討伐援軍として、

山陰地方にやってきた。


「久しぶりですな。元広殿」

「お久しぶりです。元長殿」

「こうして話していると、

 日野山城の時のことを思い出しますな」

「まったく」


こんな話をしながらしばらく風流な時間が続いたが、

遠くから足音がしてきた。

叔父上だ。


「これは叔父上、御久しぶりで御座います」

「元広殿、何を言うか。

 私は元広殿と3つしか違いませぬ、

 それで叔父上などとは」

「そうですよね。元清殿」


叔父上とはこの方。

穂井田元清殿です。

元春叔父上より穏やかで良かった。


「それより、なぜ山陽の守りを担っている元清殿が山陰に?」

「元春兄上の監視を隆景兄上に申し付けられまして」


そういって元清殿は笑みを浮かべる。

比べてはいけないだろうが、

元清殿の笑顔がどの叔父よりも落ち着く。


「おう、元清、来ていたのか」


おっ、今度は元春叔父上が来た。


「兄上、このたびは輝元殿の命で山陰の尼子残党討伐に加勢に参りました」

「そのようなこと言って、

 本当は隆景の差し金だろ」

「さすが、やはり兄上は鋭いですな」

「そんなことより、本願寺に兵糧を届けていた毛利軍が、

 織田の水軍に圧勝したそうだ」

「父上、それは本当ですか」

「元長、父が嘘をつくと思うか。

 この調子で尼子を殲滅するぞ」

「おー」


【天正4年・織田信長】


「嘉隆ー、おぬしは何をやっていたのだっ!」

「申し訳ございません」

「これで本願寺に兵糧がわたってしまったではないか!」

「本当に、申し訳ございません」

「本当に詫びるつもりがあるなら、絶対に負けぬ船を作るのだ」

「船、で御座いますか?」

「そうだ。毛利の火矢に対抗できる燃えない船を作るのだ」

「燃えない船ですか」

「良いか。燃えない船を作り、今度こそ毛利軍を叩き潰せ。

 しくじったら後はないと思え」

「は、ははー」


毛利めー、この借りは必ず返す。


【天正4年・毛利輝元】


「殿、毛利の軍勢が織田の軍勢を破りました」

「そうか。この調子で織田を殲滅する。

 急ぎ叔父上たちを集めよ」


この勢いそのままに織田との戦いを進めていくぞ。

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