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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第3章・織田家襲来
23/55

第20話・松山城、包囲される

なかなか筆?が進まない。

【天正2年・毛利元広】


「叔父上、結局来るのですか」

「元清まで出陣させておいて、兄であるわしが出陣せんわけにはいかぬ」

「そうですか」


そんなこんなで毛利軍8万は三村家親の籠る備中松山城へと軍勢を進めた。

総大将は叔父である小早川隆景であるが、

その隆景叔父上の文句をあれだけ言っていた元春叔父上も軍を率いてきている。


「元広、見てみろ。あれが松山城だ。

 三村を攻撃するのは心苦しいが、こうなっては仕方がない。

 それにしても隆景。兄であるわしの意見を無視して進軍するとはけしからん」


あぁあ、兄弟喧嘩はいつの時代でもこんなものか。


【天正2年・宇喜多直家】


「兄上、毛利が備中に軍勢を進めたそうです。

 同盟者である我々にも出陣しろと、書状が参りましたが」

「忠家、そんな命令捨てておけ。

 家臣の誰かにそれなりの軍勢を持たせて毛利に送るだけでよい。

 今は小寺から送られてきた久松丸を奉じて宗景を倒すことだけに集中せよ」

「はい。兄上」


今はあまり動く時ではない。これからもっと大きな仕事があるのだからな。

アッハッハッハッハ


【天正2年・小早川隆景】

兄上のわがままにも困ったものだ。


「隆景殿、松山城の包囲が終了しました」

「済まないな、隆家殿」

「なにを。義理の兄弟ではありませんか」

「そうですね」

「それより、戦略はどうしますか」

「それは・・」

「隆景、遅れてすまない」

「兄上、お待ちしておりました。元広も」

「はい(ついでかい)」

「兄上にもお聞きいただきたい。

 今回は軍勢の差が10倍もあります。

 ですが元親は強敵、一気にとはいかないでしょう。

 この戦い、どう戦っていきましょうか」

「何を言ってる。隆景のことだからすでに何かを考えているのだろ」

「さすが兄上ですね。その通りです」

「なら早く行ってくれ」

「わかりました。

 まず松山城を囲む出城を落として外との通信を途絶えさせる。

 その後、孤立した松山城を兵糧攻め、と考えております」

「いくら三村が強敵とはいえ、10倍もある兵力の差を埋めることは難しい。

 今、三村に最後の使者を送っているが、使者に応じなければ

 兵糧攻めなどと時間のかかるやり方は避け、力攻めでよいではないか」

「いえ、そのような悠長なことは言っていられません」

「なぜだ?」

「・・・。これは、手の者からの情報ですが、

 三村は織田と通じているらしい」

「なにっ」


【天正2年・三村元親】


「殿、吉川元春殿から使者が参っております」

「追い返せ」

「はっ」


これで毛利とは切れたか。

毛利が我が父の仇である宇喜多と組まなければ、

毛利から離反することも、織田と通じることもなかったというのに。

だがこうなれば、もはや迷い無し。

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