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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第3章・織田家襲来
20/55

第17話・一通の書状

今回は短めです。

【元亀2年・吉田郡山城】


「どうする?」

「どうしましょうか」

「どうなりますか?」


叔父上や兄上が悩んでいるのはこの一通の書状である。

祖父上が亡くなり今後の毛利家をどうするかの協議をしているさなかでのこの書状だ。

書状の送り主は室町幕府15代将軍・足利義昭、

聞いたところによるとほかの大名にもこの書状をばらまいているらしい。


「今すぐ織田を討つため上洛しろと書状に書いています。

 将軍の命ならば、今すぐ兵を率い上洛いたせば」

「何を言っている輝元、今は将軍など何の権力も持たん。

 その将軍のいうことを聞いて上洛するなど、

 死にに行くようなものだ。のう、隆景」

「兄上のいうことは大げさですが、

 今兵を出すのは得策ではない。

 しばらくは様子をうかがっておきましょう」

「叔父上がいうのであれば、そういたしましょう」

「元広も、異存はないな?」

「え、はい、異存はありません」

「では、その方向で。父上が亡くなった今、毛利を支えていくのは我々なのだから、

 今後も慎重に行きましょう」


【元亀2年・毛利元広】

足利義昭の書状、

とうとう織田信長との戦いが始まるのか。

だが、織田家との戦いで何か益があるのか?

祖父上の遺言でもある家名を残すことを優先するのなら、織田に従ってもいいはずだが・・・

まあ、まだ織田家は来てない。

これから考えればいいか。

あ~、寝よ。


【元亀2年・足利義昭】

あっはっはっは

信長も儂のすごさを思い知ったであろう。

浅井、朝倉、三好に武田、上杉、毛利も加われば信長包囲網も完成する。

信長めに儂の力を見せてやる。

待っておれ。


【元亀2年・織田信長】


「ど、どうか御情けを」

「斬れっ」

「お、お許し、を・・・・」

「信長様、これはあまりにもやり過ぎでは?」

「わしに盾突く気か。サル」

「いえ、そのようなことは・・・」

「ならば徹底的にやれ、奴らを根絶やしにしろ」

「はっ」


新しい世を作るために、邪魔なものはすべて根絶やしにする。

そうせねば今の日本は変えられん。

それこそ坊主ども、

あいつらのように腐敗しきっているものは新しい世にいらぬ。

今の敵対している勢力もわしにつき従うのであれば新しい世に導き、

そのまま敵対する者は切り捨てる。

わしもまだまだこれからよ。

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