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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第2章・いざ戦場へ
14/55

第12話・大内輝弘

戦闘シーンはどうなのかなぁ・・・

【永禄12年・高嶺城】


「皆の者、なんとしてもこの城を守るのだ。

 我夫、市川経好に名に懸けて」

「お方様、敵は数千、対してこちらは200~300の劣勢、もってあと2、3日くらいでは」

「それならそれでよい。とにかく一日でも長くこの城を守り抜くのだ」


【永禄12年・毛利元広″山口″】


「いまから高嶺城周辺の大内軍を一掃する。

 元広、お前もついてこい。

 そこで冷静に戦というものを見極めろ」

「……はい」


俺は、戦というものが分からない。

そこで冷静に見極めろなんて……


「元広、高嶺城が見えてきた。

 到着次第直ちに大内軍の一掃を開始する」


【永禄12年・大内輝弘】

毛利が、来たか。

とうとう毛利対大内の”因縁の”戦がはじまるということか。


「皆、よく聞け、毛利がやってきた。

 これから一戦構えることとなるだろう。

 これに勝てば大内家が再び周防に君臨すること間違いなし。

 いいなっ」


殿のため、

そして集まってくれた大内遺臣のため、必ずや破って見せる。


【永禄12年・高嶺城付近】


「よいか、毛利として、なんとしても大内の再興は防ぐ。

 大内の兵、一人残らず討ち取れ」


始まった。大内と毛利の戦いが。


「元広、我らもいくぞ」

「ですが……叔父上」

「恐れるな」

「・・・」


恐れるなと言われても、無理だ。


「殿、行きますぞ」


俺は春継に引っ張られるまま、戦線に突入した。


【永禄12年・毛利元広】


「殿、一人残さず討ち取れというのが、元春様の命令だ。一端に働いてくだされ」

「・・・」

「殿っ」


春継のうるさい声を聞き流しならどこか逃げ込める場所を探していた。

すると遠くから男が近づいてきた。


「そこもとは高い身分のものと見る。私の名は大内輝弘。一騎打ちを申し込む」

「一騎打ち?」


意味が分からない。


「いざ!」

「ま、待て」


目の前にいるのは敵の大将の大内輝弘。


「戦に待つ行為は無用」


俺は、こっちの世界でもこんな歳で死ぬのか。

敵が刀を振り上げるとき、俺は既に諦めていた。


俺が覚悟して目をつぶったが、

いくら待っても斬られない。

試しに目を開けてみた。

するとそこには刀を鞘に納めた大内輝弘の姿。


「なんで、殺さない。

 武士なら、人を殺すのが仕事だろ」

「ならば貴様はなぜ刀を抜かなかった。

 武士ならば一騎打ちを挑まれれば受けるのが筋であろう」

「……」

「それに、武士は何も考えずただ人を殺めているのではない。

 戦というものは人同士の殺し合い。

 敵味方どちらも死に物狂いで戦場を動き回る。

 皆恐怖があるだろう。

 しかし、相手もそれを知っているから殺すにしてもその思いを無下にしない。

 だが、貴様のようなものがいればその関係は一気に崩れる。

 わかるな」

「……」

「貴様も戦場に出るのであれば死ぬ覚悟をし、

 それを相手もしていると思い、

 全力でぶつからねばならぬ」

「…………」


死ぬ覚悟、か……。


「お前のような小童にもう用はない。

 戦は終わった。我らの負けだ。

 冥土の土産に敵の首をと思ったが、

 その気も失せた。

 あとは死に場所を探すわい」


大内輝弘は馬でどこかへ去っていった。

俺の迷いのように。


「殿、大丈夫ですか」

「春継、俺はわかったぞ。

 あいつの言ってることを」

「はぁ」


今後もこの回は編集していきます。

※2015年12月29日

 後半部分大幅変更

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