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衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第2章・いざ戦場へ
13/55

第11話・立花山、そして山口

前と同じ感じになってるかも。

【永禄12年・立花山城】


「一体あれからどれぐらいたつ?」

「はい、ほんの5か月ほど」

「元春、あれではわしが見初めた腕が役に立たんぞ」

「お言葉ですが父上、剣術はいざという時の戦場では役には立ちませんぞ」

「わかっておるが、今のあれでは邪魔になるだけじゃ。

 一足先に猿掛城に帰そうかのう」

「それがよろしいかと」

「お待ちを」

「なんだ?春継」

「私は殿の初陣に立ち会えなかった身、

 なれど殿の家臣です。

 必ずや、戦線に引っ張り出してきましょう」

「昨日今日家臣になったものがあいつを引っ張り出せるか」

「お任せください」

「うんそこまで言うならやってみろ」


【永禄12年・毛利元広】


武士は人を殺めるもの。

武士は……


「殿」

「なんだ?春継」

「何をくよくよしておるのですか。

 この間にも大友は攻めてきております。

 殿がこの調子ではほかの者にも迷惑がかかります」

「わかっている。前の戦でわかった」

「ならば」


だから戦に出られないんだよ。


「元広、春継」

「叔父上、叔父上もなにか」

「緊急の要件だ。

 周防に大友が上陸した」

「なんと。大友がそれほど大胆なことをしでかすとは」

「我々は直ちに周防に帰り大友軍を討つ。

 お前もついてこい。元広」

「ですが、」

「うるさい。

 はよ準備せい」


俺に、戦はできない


【永禄12年・大内輝弘】

殿に言われるがまま周防に上陸したものの、

わたしは大内に何の思い入れもない。

だが、わたしが大内の一族というと大内の遺臣が続々集まってくる。

こんなことでいいのか?

大内に何の思い入れもないわたしが大内を名乗り、また遺臣を使うとは、

な申し訳ない。

しかし、今まで大友家に世話になっていた以上、

期待に応えねば。

覚悟を決めよ輝弘、

覚悟を。


【永禄12年・赤間関(下関)】


「元広、もうすぐ高嶺城だ。準備は?」

「いえ、まだ・・・」

「覚悟ができんのか」

「いや、はい」

「お前は毛利の武将、それがこれでは話にならぬわ」

「・・・・」


人を殺めるということはこの時代では日常茶飯事。

この中で俺は生きていける気がしない。


「大内輝弘は山口の高嶺城を攻撃している。

 それを守るのは市川経好夫人、しばらく耐えているようだが、

 大内遺臣が集まりだしている。

 急いで打ち負かさねば大きな損失となる。」

「ですが吉川殿、吉川殿だけでなく小早川殿まで撤退してしまえば、

 九州は」

「あきらめるしかない。それに尼子再興軍まで出てきている。

 今まで滅ぼしてきた家がこぞって逆襲に出てるということだ。

 なんとも皮肉な話か・・・」


【永禄12年・山口】


「ええい、まだ高嶺は落ちないのか。

 たった数百人の城にどれだけ手こずってる」

「も、申し訳ございません。輝弘様」

「大内家再興にはまずこの高嶺が必要なのだ。

 毛利の援軍が来る前に何としても片をつけろ」

「「はっ」」

※2015年12月29日

 会話部分変更

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