表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
衆の子、毛利の子  作者: ルビー
第2章・いざ戦場へ
10/55

第8話・元服!毛利元広

大変遅れてしまい申し訳ございません。


【永禄10年・毛利興丸】

ついにこの日がやってきた。

そう、俺の元服である。

俺は幼名を捨て、名乗りを毛利元広と改めた。

元広の「元」の字は、兄上からもらったものである。


「興丸、いや、元広元服おめでとう」

「兄上、ありがとうございます」

「これから働いてもらうぞ」

「はいっ」


この日から、俺の家臣生活が始まった。



一応、当主の弟である俺には城が与えられた。


″多治比猿掛城”


祖父上の代から重要な城らしいがとてもそうは思えない。

なんだこのボロボロ具合は。

絶対に長年放置されていそうな城じゃないか。

まあ、それはそれとして問題はもう一つ。俺の家臣にある。


「殿、あまり動き回らないでくだされ」


この男が俺の家臣となった香川春継。

祖父上に重用されていた?らしいが、叔父上の強い要望により俺につけられることになったらしい。

だがこの男、かなり癖のある。


「す、済まん」

「殿、あなたは戦で戦功を上げねばいけませぬ。

 ただでさえ家中で風当たりが強いにもかかわらず武功を上げないとなれば

 とうとう見放されますぞ」

「わ、わかっている」


この男、口を開けば武功武功。

うるさいくらいに武功武功。

俺を見たなら武功武功。

……誰か助けて……


【永禄11年・毛利元広】

今日、出陣の命令が出た。

そう、これが俺の初陣になる。

そう、叔父上がいるから大丈夫だ。

そう、祖父上のいるから大丈夫だ。

そういえば、合戦って殺し合いなんだよな。

そういえば、合戦って討ち死にとかありえるんだよな。

べ、別にビビってるわけじゃない。

べ、別に・・・・


「殿、何をやっている。

 早く出陣の準備を」

「ビ、ビビってないよ」

「何を言っているのですか」

「い、いや・・・」

「戦に出る前からその調子では、戦場に行っても使い物になりませぬな」

「そ、そんなことはない。俺が敵を倒してやる」

「戦場はそれほど簡単なものではございません。

 とにかく早くご準備を」


さっきは武功武功言ってたじゃないか。


【永禄11年・吉田郡山城】


「父上、万事整っております」

「そうか、それで隆景、秋月のほうは?」

「は、そちらも問題なく」

「今回は元広の初陣じゃ。どのような働きをするか楽しみじゃ。のう、元春」

「はい、私が鍛えた成果を出せればいいのですが・・・」

「なに、おぬしがどうしてもいい元広の家臣につけた春継が居るのだ。

 問題ないであろう」

「は、あのことは誠に有難うございます」

「まあのう、奴には優秀な家臣をつけてやらねばいけなかったから、ちょうどよかったわ。

 では、元春、隆景、出陣じゃ」

「「はっ」」

※2015年12月29日

 会話部分を変更

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ