「知らねーな」byチャキ
サブタイは前話と対になってます。
今回は少し短めです。
とりあえず、ということで。私はその格好でずっと居るのは辛いだろうと、着換えて来いと引き離されそうになって、確かにそうだけど自分にナイフ向けてきた輩が居て、そして私の存在を知っている人が最低でも2人いるこの状態で、一人になるバカがどこにいるというのか。
まぁ誰といても安全ではないかもしれないから無駄な足掻きかも知れないが。
「とりあえず、な ん で この人が私のことを知っているのでしょうか?」
「まぁ、それはなぁ」
「誤魔化さないで下さると嬉しいですね」
「まー。護衛兼監視役?」
知ってたであろうカイトが飄々と言う。
「プラス処理係?」
「場合によってはな」
「そうですか……。でこの人のお面は外してもらうことはできます?」
やっぱり、否定しないか。普通、お面をつけている人がいると気になると思う。
「今ンとこだめだな」
「そーですか」
まだ信用はしてくれないか。それに情報を持ちすぎても狙われる可能性もあるし、これ以上追求するにしても、こちらに手札はなにもない現状では無謀だ、無謀。
「それと、この女の子は俺達のこと見えないだろうからお前がいると、尋問できんのだが。
カイトも人手に欲しいし」
そーですか。で一人で部屋に戻れと? 無理です。あんな入り組んだ道覚えられるか!
分かっているとばかりにセシル様が付け加える。
「チャキつけるから」
ちゃき?
「そこにいるお面」
「……私さっきナイフ向けられたんですけど」
と、無駄かと思いつつも反論した。
「大丈夫だ。お前を襲うほど飢えてない」
と面の男が言う。さっきも思ったけどこいつ口悪い。人のこと言えないけど。
「いや……もうそういうのどーでもいいんで」
怒るところなのだろうが疲れすぎて起こる気力沸かない。つかそっち方面の襲うじゃなかった。
「俺にも好みってもんがあるんだよ。ババア」
と鼻で笑う。ホントむ か つ く!
「てめ、コラババアだぁ」
それは聞き逃せんぞ。
「オイ、言いすぎだぞ。」
カイトがチャキ君を嗜める。
「過保護ですね。」
「……そうか?」
とにっこり笑うカイト。なんだか笑顔の営業モードが恐いです。
「……じゃ。お願いします」
「ありゃ、意外と聞き分けいーのな」
「逆らっても無駄かと」
「俺そういう聞き分けいいやつ嫌い。で、どこまで?」
行き先知らないのか。
「カイトの部屋まで」
「……ホンッと過保護」
ボソッと悪態をつかれた。そして私はヒールを脱いでペタペタと廊下を裸足でダッシュで翔けた。
イライラを振り切るように。それにチャキは少し顔を引きつらせるが案内のために私の前に出て先導した。
「行ったか……」
「ですねー」
「もう少しチャキの件は黙ってるつもりだったんだけどな。この女、誰の差し金かね?
カイト狙いか?」
「さぁ、それは聞けばわかりますよ」
「だな」
なんて物騒なお嬢ちゃんだ、とため息をカイトは吐き、芽衣が出て行ったドアをそっと閉めた。




