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ある日の午後  作者: ラゼル
Chapter 2
20/72

探検っ 発見♪ ぼくらの町~。


 皆さん こんにちわー。 藤宮芽衣です。

只今 移動時間中はさっくり飛ばして既に我が家に到着済みございます。


「はい、ブーツとナイフとかその他諸々です」

「おう。預かっててくれて、ありがとな」

 と家の玄関のドアの前で渡す。


「でもナイフとかかさばりますし、今日は制服のジャケットじゃないし、改めて考えると、入れるところないですね。もう靴なんてずっと手でもってるなんて邪魔くさくて仕方ないですね」

 んー。と小さく唸る。


「だなぁ。何かいいものないか?」

「…………。」


 ポンっ! っと右手をグーに左手をパーにして思いついた! のポーズをしてから「ちょっと待っててください」と声をかけて玄関のドアを一旦閉めた。


 キィ、カチャリとドアを開けて肩で体重をかけてドアを開けたままにして

「もうこれ使わない袋なんでこれを、それと古くなったタオルで悪いですけど、これでナイフとかしまってください」とタオルと、ナップサックのような袋を手渡す。


「ん。」

 とごそごそと細かく分けて片付けていく。意外と几帳面だな。


「このあとどうします? どこか行きたいところあります?」

 前回は私の行きたいところだったし、今回はカイトに聞いてみよう


「今、お母さんいないみたいですけど、弟居るし家は今は少し気まずいんですが」

 ……あーでもゆっくり休息をとりたいとかだったらゴメン。


 お母さんと違って年が近い分、昔よりは少し距離感はもう“男の子”じゃなくて“男の人”になってからは遠くなってしまったけれど、やはり近しい存在だ。鋭さは母のほうが上だが、ぽろっと言いたくなるのは弟の方だ。だからこそ落ち着かない。


「どこか広い場所に行きたい」

 ……広い場所かぁ。


 広い場所、広い場所ねぇ…。


このマンション前の公園、川の横の広場、昔行ったフリーマーケットの会場の港、小学校跡の公園…。


マンション前の公園は子ども達がいっぱいだし、川の横の公園はウォーキングやらランニングするご老人方がちょこちょこいらっしゃるし、小学校跡に出来た公園はなんだか好きじゃない。


――もう記憶は朧げだけど海の方の元フリマ会場行ってみようかな?


「じゃあ、たぶん広いんじゃないかなぁという感じにぼやっと朧げなんですが、わりと条件に合致するんじゃないかなあ?」

「それまたぼんやりしてんなぁ…。」

 そうなんだよ。もう10年近く行っていない。駅からは遠いとはいえ、家からは自転車で15分程度なのにあそこには用事が全然ないからわざわざ行かないのだ。歩くには少し遠い気がするし。散歩もあんまり性分じゃない。毎日目の前のことをこなすので精一杯だ。


 小さい頃はあそこを探検したような記憶もあるけれど、それもまた一緒に行った友達も誰だったか思い出せないし、何がおもしろかったのかも覚えていない。


「それでも……よろしいですか?」


「あぁ…案内よろしく。」

 えーっと小さい頃よく遊んだ夏帆ちゃんの家の方向だから…


「あっち? かな…」

 と足をその方向へ進めていく。


「ほんとうにぼんやりだな」

 とくくっと笑いながらもカイトは後ろからついてくる。ちなみに手をつなぎながら。


 ええ、うすらぼんやりです。いやほんとうに。

しかし有難いことにカイトは懐が広いというか、おおらかというか。


 10分ほど歩いて、懐かしい建物が見えてきた。


「あ、ここは昔通っていたピアノ教室です

二階ではクラシックバレエを教えているんです。あとはバイオリンも教えていましたね」


「ピアノ? バレエ?」

 ……あぁ。


「ピアノもバイオリンも楽器の一種です。手習いとして教わってたんですよ。ピアノだけですけど……。 それとバレエはダンス…ええと舞踊の一種ですね」

 バレエって舞踊っていっていいんだろうか? イメージは舞妓さんが踊ってるような和風のものだけど。


「ちなみにバレエも習っていました。こちらはさっぱり続きませんでしたけど」

 だってさー。すごく性に合わなかった。きっかけは母さんの勧めだ。普段の教室の先生は優しくて綺麗だったような気がする……、あとそれなりに楽しいなとも思っていた気もするんだよなぁ。リズムに合わせてスキップとか足を上げるのとか。

 そういえば発表会の先生はキツイおばさんで、小学校低学年の時だったけれどよく覚えているセリフがある。


『あなた達はバレリーナなのよ!!』だ。

当時はその言葉がさっぱり理解できなくて迫力に呑まれてポカーンとしてしまった。


 今思うとあの人はベテランの先生で、本当にプロなんだろう。しかしある意味あれは決定打になった。だってそんなんついていけないもん。

 あれについていける人がプリマドンナになれるのだ。きっと。


 ……私には無理だ。絶対。


 それにバレエの舞台用メイクも滑稽なほど似合わなかった。

 ――おしろいの不思議な匂いと初めての(べに)

 今は更に似合わないであろう。あれはまだ子どもだったから許されてたんだ。

 ここらへんは古い建物が多いな。あ…ここ縁側がある。いいなぁ。風流だ。コンクリートよりも、木造のこの家の方が涼しげに感じられる。


 ―――あ。


朝顔(アサガオ)だ」


「ん。朝顔?」

「えぇ今年はいま始めてみましたけど、夏の風物詩の一つです。綺麗ですね。」

 そういえば今年は見ていなかった。紫陽花(アジサイ)はみたけど。


「へぇ。すごい蔓だな」

「……そっちなんですか」

 もっとああ、綺麗だな。とかあるでしょうよ。

 でも確かにすごい蔓だ――屋根まで届きそう。


 そしてまた歩を進めていく。もう直ぐ大きな十字路に出る。


「おー新しいカフェができてる。その隣にはケーキ屋さんなんてあるし…」

 と小さくつぶやく。


――いつのまにか少しずつ景色が変わっている。今度食べに来て見ようかな。


 東港公園なんてそのまんまじゃん! という公園の横を沿って歩いていく。

 ここは遊具が種類がいっぱいあるから。ごくたまに来たときははしゃいだなぁ。でもここ十字路前だから、小さい子には危ないんだよ。

 お城を模した石造りのモニュメント、多種多様なアスレチック、ブランコ、砂場、ぎったんばっこん…あれ? 名前なんだっけ…


「あぁー。シーソーか」

ポンと手を叩く。

「ん? 何が?」

 ありゃ。聞こえてた。

「いえいえ。たいしたことじゃないんですよ」

「……そう言われるときになるもんだな」


 そんな興味あります! みたいな顔されても……。


 ――いやほんとうにどうでもいいことなんですけど。


「本当にくだらないことですよ」

「それでも構わねぇよ」

 えー、なんかメンドイ……。

「えー。 大した事じゃないから、たいしたことじゃないって言ったんですよ」

「じゃあ言ってもいいだろ?」

 意外と粘るな……。


「……まぁ。そうですけど」

 このまま問答を続けるほうが面倒だ。


「あの遊具の名前がわからなくて、でも思い出せたからつい口に出たんですよ」


「…………。」

「…………。」


「………本当にたいしたことじゃないな」

 と、どこか拍子が抜けたという顔をする。


「もー! だから言ったじゃないですか」

「悪い悪い」

 ケラケラとカイトが笑う。



 ―――なんか毒気ぬけるなー。

 

自分の町案内? はまだ続きます。


友達との旅行で足が筋肉痛…。


明日には更新できるといいなぁ。


というか更新している日として無い日のこれ見てる人の数の差が半端無い…。

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