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ある日の午後  作者: ラゼル
Chapter 2
18/72

バイト先での夏の一幕と再会

たぶん明日から更新少なめになります。友達と旅行に行ってまいります。

今回はいつもより長めです。

 


 さてさて夏休みといえば学生にとってはいわゆる書入れ時、稼ぎ時だ。

春休みは長期休暇を取って外国に短期留学をさせて頂いたのだ。

 だからこそこの夏はできるだけこの店の労働力として貢献しなければ……!なのだ。


 ちなみに芽衣のバイト先は難波駅内にある本格アフタヌーンティーが楽しめるという喫茶店である。内装はシックな感じで割とモノトーンで纏められおり、どちらかというとホワイトの割合の方が多い。ほわほわしたメルヘンチックな少女趣味全開という感じでは決してない。マスターの趣味のよさが窺える。夜はバーとなり、お酒も振る舞われる。


 そして芽衣は元来人見知りする性格であり、その改善のために丁寧な接客と“完璧な”営業スマイルが学びたくてこのバイトを選んだのである。


 将来きっと役に立つスキルであろう……!


 一応他にもお着物を着ておさんどんをするうどん屋さんや、牛丼屋さん、コンビニや本屋さんも候補に入っていたがシフトや制服支給などの条件。客層、お店の雰囲気、バイトの男女率を鑑みてここに決定した。

 


 そこでなんで男女率……? 彼氏をつくるためのきっかけ? それとも男の子が苦手?


 いやいやいや。まっさかー。


 芽衣は基本的に同年代の女子が苦手である。

昔からキャピキャピした若さについていけないのだ。「若いなぁ……」と小学生の頃から元気な子どもたちを眺めるというズレたおこさまであった。


 年下は弟の世話を小さい頃からしていたので、公園に行けば小さい子の面倒役を自然に引き受け親御さんたちからは重宝され、ちびっこからは懐かれてはいたものの……。子ども時代から色々あったのである。


 小学校時代は、愛想も振りまくのが壊滅的に苦手だった上、比較的早熟だった芽衣は、小学校時代にはクラスメイト女子から「頭だけいいくせに生意気だ」「私のこと馬鹿にしてるでしょ」など色々因縁をつけられたものだ。

 こちらも相手にするだけ無駄だ。とすっぱり割り切っていたため、仲が良かったのは小学生の中でも比較的温厚で進学校の私立中学をめざして塾に通って大人のような物言いをする男の子とか、変わり者でこちらにちょっかいを出してきたものを言い負かしてなぜか仲良くなったワルガキであった。「おう。お前中々やるじゃねぇか」「はっ そっちこそ」ってヤツである。


 あとは年の離れた教師陣たちだった。しかも担任の先生とはお茶のみ仲間だったりした。


 余談ではあるがその担任の先生もこれまた変わり者で男女混合の五人グループでの遠足で地図を渡し、学校から駅の順序を調べ『自分たち大阪城までたどり着け!』ということを実行してしてしまう面白い先生であった。運が悪ければうっかりモンスターペアレントにPTAとかで抗議された。きっと、絶対。

 他にもプールでの遊びもその先生によって色々考案され実行され。プールの使用回数が多かったため、校長先生にお呼び出しされるという子どもにとっては魅力的な先生であった。まぁその分逆に猛烈に嫌う生徒もいたのではあるが。


 中学校時代には少しはクラスメイトへの対応も改善され、そこそこ平穏に過ごしていたが、友達に誘われて入ったクラブはほぼ女子で男子は2人しかいないという女系クラブで、うっかり先輩陣の女ボスに目をつけられてしまったものの、顔に感情が現れにくいせいか、表面上は屈する様子が微塵も見られず火に油を注ぐ結果になってしまい、廊下ですれ違うたびに嫌味や言いがかりをつけられたり、後輩への指導もおざなりとなった。


 賢い子は先輩に上手く甘え“可愛い後輩”を演じて、「さすが!先輩は頼りになります」とかねー。

そしてこちらには火の粉がかからない様にと私からは少し距離をとっていた。

 今思えばそれが正解だったんだなぁ…と感心してしまう。


 しかしこちらも負けるものか!と意地を張ったものだから、更に激化して図書館の裏に呼び出されるという昔のドラマの展開のような出来事も起こり、先生達が調停役に入るぐらいの大事となったのである。ちなみに顧問は月に一度しか現れないという幽霊顧問であった。

 

 クラブ紹介ではやる気のないやつはいらない!とか宣言していたのに口だけである。

そのことも先輩女子たちを助長させる原因となった。まぁそのやる気のなさに救われる出来事もその後あったのだけども……。


 でも一対三十って流石に向こうに非があると思うんだよ。

戦力差がハンパないわー。

 

 それで現在の仲のいい女子も基本的に見た目は可愛いとはいえ性格は男前な子が多かったりする。

うっかり惚れてしまいそうになるほどの男前な女性(ヒト)もいる。彼氏ができない理由のひとつな気がする。

 

 そんな芽衣であったので八割がた女性である本屋さんなどは本好きとしては新入荷がすぐにチェックできる環境というのは心惹かれる職場ではあったが断念したのである。


 ――さてさて。


 一緒にシフトがよく一緒になるのは一つ年下の小悪魔系美少女の里奈(リナ)ちゃんと大学四年生でもう既に就職先が決まっている(イツキ)さんと初老の好々爺といった雰囲気のマスターである。


「おはよう。今日もよろしく芽衣さん」

「マスター! おはようございます。こちらこそ今日もよろしくお願いしますっ」


 ちなみに芽衣はマスターにかなり懐いている。美味しいコーヒーを入れてくれ、楽しい昔話をしてくれたり、新作のケーキの試食を依頼されたり、基本的に(いつき)さんが専属で後輩指導をしてくれているのだが、時々でマスター直々に指導してくれ、しかもそれがお客さんには好評であり、芽衣の店長に対する好感度はあっという間に上昇してしまった。


 まずは店内の掃除から朝の仕事は始まる。モップとバケツを用意し、その後空ぶきする。

 そしてテーブルも清潔にし、椅子も綺麗に並べなおす。

 食器を熱消毒し、ドリンクや食材の補充、そして発注した材料の数量チェックをこなし。

 準備が済んだらお店のドアにかけてある『CLOSED』の看板を『OPEN』にかけ直す。


 朝は割と会社員が多い。美味しいコーヒーと軽食を出勤前に採るためにくるからだ。

 そして午後になるとOLさんや主婦、また少し富裕層のお嬢様方がご来店される。

 夜は大人っぽくて私とは別世界だなーといった方達がお酒を飲みにくる。ちなみに時々おつまみは芽衣が作っていたりする。


 時間によって年齢層が変わるので対応も少しずつ変えていくのもこのお仕事の楽しみの一つである。


 「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」

と営業スマイルを浮かべ、注文を取る。

 今回はホール担当だ。基本的芽衣は夜のみ裏方が多い。


「じゃあ、オリジナルブレンドとチーズオムレツ入りのベーグルで」

「はい。ではご注文を繰り返させていただきます。

オリジナルブレンドとチーズオムレツ入りのベーグルでよろしいですか?」

「はい。大丈夫です」

「では、すぐお冷をご用意しますので、しばしの間お待ちくださいませ」

 と頭を下げつつ厨房へと注文を届けに行く。

「樹さん。チーオム1つに、オリジナル1つです」

「了解。ん、お冷持ってって」

「おーさすが先輩です。1を聞いて10を知るって奴ですね」


「んー。惚れた?」

 とくすくすと指を唇に当てて笑う。


「いえ全然。いつもながら樹さん女性にマメですね。では、お水お届けにいってまいります」

 だけどいつものことなので、さくっと受け流してお冷を運ぶ。


 ホールの様子に目を向けつつ、また食べ終わったお客さんのお皿を片付けつつ、注文したメニューが出来上がるのを厨房の近くで待機する。


「芽衣。上がったよ」

「OKです」

 そしてお客さんの手前にできるだけカチャカチャ食器の音を立てないように並べ、


「ではごゆっくりお召し上がりください」

 とにっこり笑って一礼し、その後また他の注文をとりにいく。そしてお皿を片付け、帰るお客さんの会計もして、とそれを延々と繰り返していく。


 ちなみに朝はサイクルが早めである。出勤時間に遅れないようにだろう。

まぁ読書を楽しみつつゆっくりされていく方もいらっしゃるのだが。


 朝からマスターのコーヒーを飲みつつ読書なんて贅沢だなぁとも思いつつ

特に大きな失敗もなくお昼前の休憩時間となった。


「2番入りまーす」といって樹さんと休憩に入る。

ちなみにこれは隠語で2番=休憩である。お客様の前で休憩いってきます! なんて言ってはいけないのだ。


 その(あいだ)は厨房には店長、ホールには里奈ちゃんが入る。お昼前はお客さんが少ない。ウチの店の食べ物は軽食メインなので、お昼時は他のレストランに客が流れる。


(いつき)さんひとまずお疲れ様です」

「こちらこそおつかれさま。今日は変なお客さんとかもいなくて楽だったね」

「あーそうですね。ごくたまにいますよねクレーマー」

「こちらが、はい…? と言いたくなるようなところで怒られるもんね」

 とくすくす笑いつつ、お昼ご飯を食べる。


 今日はタラコと鮭のおにぎりだ。それと袋状のあさげをもってきている。

 お湯は店長に許可をもらって使わせていただいた。ご飯にはお味噌汁だよね…。


「で…最近どうよ?」

 ……どうよってどうよ? うーんそうだな。まぁこの辺が無難かな。


「そうですねー。来月末に友達と京都に行く予定ですねー。とっても楽しみです」

「へぇ。それはおもしろそうだね。――じゃなくて最近沈んでたでしょ。彼氏と何かあった?」


「………。それはご心配ありがとうございます。ですが私に彼氏はいませんよ。以前言ったじゃないですか」

 と何だか心配してくれている。落ち込んでいた自覚があるので、すこしバツが悪く顔を背ける。


「そうだっけ…? でも僕の勘はなかなか当たるんだよね」

 とひとさし指をゆらゆらさせながら妖しく微笑む(わらう)


 それにどきりと恋愛的なときめきではないものに心臓を振るわせつつも


「残念ですね。はずれですよー」

 と飄々(ひょうひょう)と言い放つ。まぁ確かにカイトも生物学上男には違いないけれど、彼氏ではない。

 その上今度会えるかなんて保証は一切無いのである。


「そうかな…? まぁいいや。じゃあ食べ終わったら仕事に戻ろうか」


「そうですね」

 侮れないな(いつき)さん。いいひとではあるんだけど……。

まぁそれはひとまず心の片隅にでもポイっと放って置いておいて、今日はガッツり働こう。


 お昼の後はアフタヌーンティ目当ての女性のお客さんがメインとなる。

 お一人さまのお客さんは普通ケーキセットを頼む方が多いけれど、

複数人でいらっしゃる方は上から一口サイズのケーキが並び、中段にトレトゥール的な塩味のあるもの、一番下にスコーンが贅沢に載せられている三段のケーキスタンドに紅茶という豪勢なアフタヌーンティーのセットを頼むことが可能である。

 これはお店の看板メニューの一つでこれが目当てのお客さんも多い。


 今日のプチケーキはブラックベリーとイチゴのミニパイに白桃のプチタルトで、つやつやした宝物みたいなケーキはマスター特製でなかなか好評だ。

 ちなみにスコーンにはクロテッドクリームと木苺のジャムが添えられている。

 そして中段にはほうれん草とサーモンのキッシュとキュウリのサンドイッチが並ぶ。


 紅茶はその日のメニューに合わせて店員さんがお勧めを教える。というカタチを取っている。

 まぁ最後はお客様の判断にゆだねられるのだが。


 ふわー。ほうれん草とサーモンのキッシュ出てくるの久しぶりだなー。

あれは自分でつくる気しないわ。難しいし、マスターが作ったのの方がおいしいし、バイト終わったら絶対食べて帰ろう。それと紅茶はなんにしようかなー♪ とふわふわと足を動かす。


 アールグレイ、フレーバーティー、ニルギリ、キーマン、ダージリン……。

 

 今日のケーキに合うのはニルギリやキーマンかなぁ……。

まだまだ紅茶は勉強が必要だわ。まぁこういういつもと違う経験も人生の糧だよねぇ。



「お待たせしました。アフタヌーンティセットお持ちいたしました」

 これがなかなかに重い……。そして磨き上げられた食器を並べていく。


 テーブルに並べた途端にきゃあっと小さい歓声が沸く。

 気持ちはわかる。テンション上がっちゃうよねー。女の子の夢だよね。


 よし ここからは店員さんの腕の見せ所ですよ。お湯でポットを温め、そしてその中のお湯を一旦捨てる。そしてお茶の葉を入れて適切な量のお湯を注ぐ、少し蒸らしてからカップに紅茶を注ぐ。この時間がポイントなのである。渋すぎでもなく薄すぎることもなくだ。


 うん、いい香り。――少しでも美味しく飲んでもらえますように。


「では、素敵なひと時をおすごしくださいませ」

 と役割を終えて一礼する。


 あ。大丈夫そう、好評みたいだ。よかったぁ……と息をついて、お客様に目を向け口元をそっと緩めた。


 実は紅茶を目の前で御入れするのが一番緊張する。うっかり失敗できないからだ。

 大体の方は失敗しても笑って許してくださるけれど、そんなことはやっぱり許されない。仕事だし。


 ――ケーキセットなら厨房で入れてからお客さんに出すんだよねー。

これじゃまだまだ先輩やマスターには遠く及ばないなぁ……。



 そして今日のバイトは終了した。今日は夜は入らない日だ。

 なのでマスターにキッシュとアールグレイを頼んで奥の夜にはバーとなる席に並べてもらう。


「わー。美味しそう。ありがとうございます。マスター!」

「芽衣さんはこれ好きですねぇ。ふふ。」

「はい、そうなんですよー。マスターが作ったものは絶品ですよねー!」

 とうきうきしながら一口ずつフォークをさして食べる。


「それは、ありがとうございます。では私は仕事に戻りますのでごゆっくり」

 こくりと紅茶をのんで一息つく。そんな私をみて笑って店長は夜の仕事の準備に取り掛かりに戻る。

 眼鏡が素敵です。店長ーっ


「芽衣、おつかれさま」

「あ、(いつき)さんおつかれさまですー。今上がりですか?」

「うん、そうだよ。今日は店のメニュー食べてから帰るんだ?」

「そうですよー(いつき)さんもたべません?」

 と機嫌よく、一応社交辞令で誘ってみる。


「お誘いは嬉しいけど、残念ながら今日は用事があるからね」

「そうですか。じゃあお疲れ様でしたー」

 と手を振り。そしておやつタイムを開始する。……しかし。


「……げほっ。」

 と紅茶を飲んで勢いよくむせた。その音にぎょっとして(いつき)さんが振り返る。

 なんでもない、なんでもないと手で合図をしてその帰りを促す。心配そうな顔をしつつも(いつき)さんはそのまま帰っていった。



 ……。疲れているのかな あはは。 幻覚かしら……。


 美味しいキッシュと紅茶なのに混乱して味がわからない~とその場で落ち込んだ。

 しかし、その場でずっとそうしててもしょうがないので店長にはものっっすごく申し訳ないと思いつつもペースを上げてキッシュを完食し、紅茶で胃に流し込んだ。


 はぁーと大きな深呼吸をして覚悟を決める。

 まさかなぁ……。はははははは……


 いや、嬉しいよ? 嬉しいんだけどさぁ……!


 駄目だ考えがまとまらない。ぐるぐるぐるぐる思考が迷子になって頭が痛くなる。


 店の裏口から出て、目当ての人影を追いかける。


 バクバクバク…心臓の音がうるさい。

 うっかり足にけつまづきそうになりながらも早足でなんとか歩いていく。


「カイトっ!」

 ぎゅうっとその存在を確かめるように強く後ろからカイトらしき存在を抱きしめてがっちり逃げられないように捕まえる。


「芽衣……?」

 あぁ カイトだ。こんな風に名前を呼ぶのはカイトしかいない。

 顔が見たい 早く はやく はやく……!


 衝動のままにカイトの顔を掴みガッと目の前に引き寄せる。

 唖然とした顔が眼前にさらされる。

 そこで気が抜けてふっと笑った。

 しかし気が抜けたのか涙がぼろぼろこぼれる。


 ぎょっとしたカイトが優しく涙を拭ってくれる。しかし今までたまり溜まったものもあるわけで……。


「もうっ!一ヶ月近く経ったんだよ。しかも何にも言わずに消えちゃうし。ジャケットとか物騒なものは残ってるし! しかも何でいまさら現れるのよ! 紅茶吹き出しちゃったじゃない!! もー! もー! もー!店長がつくってくれたものを粗末にするなんて罰があたるんだから… それから それからそれから……。あーーーーもうっ!」と溜まったものを吐き出すように芽衣はわめき散らす。


 言いたいことはたくさんあるのに言葉にならない。もっともっともっと言いたいことが言ってやりたいことがたくさんあるっ。


 それに反論することもなく背中をポンポンと一定のリズムで押してくれる。

 すこしずつ落ち着いてきてカイトの胸にぐりぐり顔を埋める。



 ふ――――――――――――――。と長い息をつく。


「落ち着いたか?」

「落ち着きました。ご迷惑おかけしました」

 とかいいつつも芽衣の手はがっちりとカイトの腰にまわっている。


「どいたしまして」

 ともう一回ポンポンと頭を撫でる。そしてまたぐりぐりと胸に頭をこすりつける。

 あぁ……。私のほうがずっと子どもだなぁ。わめき散らしちゃって冷静に対処できなかったよ。

 手が…離せそうに無い。あぁやっぱりまだ混乱している。

 そのままの体勢でカイトに話しかける。


「ねぇ。カイト久しぶり」

「おう。久しぶり」

 ぎゅーーっと抱きしめられる。ぐえっという声を我慢した。


「会いたかったよ…」

「それは光栄だ。」

「そっちの方が余裕でむかつく」

「それはそれは……。そう見えるだけだ」

 くすくすとカイトの胸が振動する。


「嘘っぽい」

「嘘じゃねぇって」

「嘘」

「嘘じゃねぇ」

「ばーか」

「はい、はい馬鹿ですよ」

 こんなん駄々をこねている餓鬼(こども)そのものだ。

 でも今だけは甘えさせて。今まで誰にも言わなかったんだ。


「会いたかった」

「あぁ」

「急にいなくなるんだもん」

「そうだな」

「店長の罰があたるんだからね」

「そりゃあ怖いな」

「カイトも会いたかった?」

「そうだな」

「軽いー。」

「大人はそうそう簡単に感情はさらけ出せねぇんだよ」

「そうなのかなー」

「そうなんですよ」

「まったくもー」

「はい、はい、お前の言ってることがすべて正しいよ。空が青いのも、何もかも」

「大人の対応が腹ただしいわー」

「どうしろってんだ」

「わかんない」

「そうか」





「カイトおかえり」


「……ただいま芽衣。」

再会しました。

はやすぎかなーと思いつつも

さくっと再会です。


アフタヌーンティーに関しては漫画からの知識なので、けっこうざっくりです。

そのへんは雰囲気ってことで勘弁してくださいませ。

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