表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日の午後  作者: ラゼル
Chapter 1
12/72

そして夜はふける

芽衣さんノンストップ



 みなさんこんばんわ藤宮芽衣です。


 現在浴室にカイトと2人で入っております。

ちなみに服装は紺色のキャミソールにピンクのショーパンいつもの寝巻きスタイルです。


 ……オイオイいきなり突っ込みどころ満載だって?


 にょほほ 私もこの状況を不思議に思っております。(←壊れ気味)


――気を取り直して


「もう説明面倒なんで、ちょっと目(つむ)ってこの椅子に座ってください」

「オイ……。お前さっき言ったこと覚えてんのか?」

 カイトのこめかみに青筋が立った……。とはいえこれ以上抗議も抵抗もさせる暇もなく、手を動かした。


「覚えてます。でもこっちのほうが手っ取り早いんですよ」

ざぁっとお湯をだして手にシャワーを向ける。このくらいの温度なら大丈夫かな。軽くカイトの肩にシャワーを向ける。

「このくらいの温度で大丈夫ですか?」

「あ。ああ…」

 勢いにおされて条件反射で返事をした。


「じゃあ失礼します。」

 ざぁっとカイトの髪にお湯をかける。そしてシャンプーを手に取り、手早く丁寧に生え際から後ろのほうまで地肌を丁寧に洗っていく。 ん、やわらかい髪質だー。人の髪なんて洗うの初めてだ。なんかちょっと楽しい。


「流しますね」

「……。」

 返事はないが無言を了承の(あかし)と勝手に判断して、シャワーを向けて泡を流す。


――よし。後は

 手ぬぐいと石鹸(せっけん)を手渡して、

「これで体を洗ってください お湯は出しっぱなしにしておくので洗って流して一通り終わったらよんでください。お湯止めるので」

「わかった……。」

 もう声に覇気(はき)が無い。もうどうにでもしてくれと背中が語っている。



「終わった」

「うん了解。………はい完了です。あとはのんびり湯に()かってくださいませ」

「あぁ……」

 声に疲れが(にじ)んでいる。悪い事しちゃったかな……。

でもこれ以上の策は私には思いつかないし、細かくお風呂の説明もする気力は私にはもう残ってないんだよ。ほんとごめんなさい。


「あ、これ。お父さんのシャツで悪いですけど、どうぞ。着替え買っておけばよかったですね。ジャケットももう少しで乾くと思います。寝るときはシャツとパンツだけでいいですよね」

「ああ、助かる。これで十分だ」

 すっとシャツの腕を通す。お父さん(わり)かし小柄だからなぁ……腕の長さが足りて無いな。ごめん、微妙につんつるてんだ。


「じゃあ髪乾かしますのでココ来てください」

 ポンポンと部屋の床を叩く ホントはドライヤー渡して自分で乾かさせるか、自然乾燥っていう手もあるんだけど(でもちゃんと髪乾かさないと風邪引くか)、なんていうかさー。


 男前な人の髪を乾かしたいなーって思いません?

まぁ昔は弟の髪乾かしてたし要領(ようりょう)はバッチリです。


「ん」

 もう流されっぱなしですねカイト……。借りてきた猫のようです。

こちらにとってはやり易いですけど。

 髪を傷めないようにヘアオイルを数滴湿った髪になじませ、ドライヤーを当てる。

 ふわりとカイトの髪が熱風にさらされる、それと共にわしゃわしゃと髪をかき混ぜる。


「んぅ」

 とカイトがむずかるような声を小さく漏らす。


 ………。


「疲れました? カイト」

「んー ちょっとなー」

 眠気で声が少し甘く(かす)れる、頭が少しずつこちらに傾いてきている。

 うう…。わしゃわしゃしてぎゅーっとしたい。

 わきわきする手を抑える。


「夜ご飯は適当に見繕ってきますね。お腹へってます?」

「んーちょっとだけ。夜はあんまり食べない」

「そうですか。何が残ってるかなー?」

 半渇きにはならないように丁寧にドライヤーを一箇所に当てすぎないようにかけていく。

 ふふ、何か楽しいなー。

 そして(くし)でおおまかに整える。よし完成


 ………。


 にゅっと手を伸ばしカイトの頭を抱えて胸元でぎゅーっとする。

ちょいちょいと頭を()ぜて、ふぅと息をつく……ごめん我慢できなかった。

 あったかい…………そういえば抵抗がないな。

 まぁいっか。


「じゃあ 夜ご飯とってきますね」

「ああ。わかった」

 声に呆れとかその他諸々が含まれている気がする。廊下をペタペタと裸足(はだし)で歩きキッチンに向かう。


 冷蔵庫を(のぞ)くと、餃子、枝豆、レバニラ炒め……。

お酒かっくらう気満々ですね、お母様……。ていうかもう飲んだ後か。

 夜あんまり食べないって言ってたしこれはマズイかな。というか口臭が気になりすぎるメニューだよ。なんか作るか。


 桃むいてヨーグルトを器に入れてその上に桃をのせてスプーンを添えて冷蔵庫に入れて冷やしておく。


 食パンをざくざくサイコロステーキくらいに切って、ジャガイモを数分チンして皮をむく、これは一口大に切る。ブロッコリは小房(こふさ)に分けて水洗い。

 小麦粉、バター、牛乳、固形コンソメを入れて小なべで煮詰め、木ベラで混ぜて塩コショウ。


 耐熱皿に切ったパン、ジャガイモ、ブロッコリー、さっき作ったホワイトソースをかける。そして粉状のバジルとぱらぱらと


 ――あ。お肉忘れてた。

ベーコンをざくざく角切りしてさっきのお皿に加え、ピザ用チーズを振り掛ける。


 オーブンに200度で15分。その間に飲み物の用意をする。

お茶かお酒、お歳暮で(もら)ったいいお酒あったなー。

いや、今回は無難にお茶にしておこう。氷を入れてコーン茶をそそぐ



“ピー”と調理終了の音が聞こえる。



 パングラタンの出来上がりである。

料理シーン書くの超楽しい。


ちなみに芽衣さんは疲れが一定量を超えると羞恥心とかかなり薄くなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ