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ある日の午後  作者: ラゼル
Chapter 1
11/72

Welcome home!

 だんだんと一日目の終わりに近づいております……。

できればご意見・感想くださると嬉しいですo(^^;o)三(o;^^)o



 私の家は14階建てのマンション、私たち家族が住んでいるのはその7階だ。日当たりのいい南側の部屋。冬は他と比べてもだいぶ暖かく快適だが、夏はその逆だ。暑い。


「ただいまー。」

「おかえりーぃ」

……お母さんいるな。 彼方(かなた)は塾か?

 お母さんの部屋にちらりと覗くと、やっぱり……。

 もう遅い時間だしベットでゴロゴロしつつテレビを鑑賞中か。


 しーっと人差し指を口元にやってカイトの前でジェスチャーで沈黙を命じる。

 コクリと肯定の意でカイトはうなずく。

 靴を脱いで、カイトにもブーツを脱いでもらってそれを手にする。手を(こまね)いて、私の部屋を指差しカイトを誘導して


 早歩きで部屋に直行して後ろ手にドアを閉め、カイトのブーツを空箱に入れる。


 ふー。とチカラを抜く。そしてへにょんとドアの近くに両手を突いてへたり込んだ。

 

 ……い、意外と精神的にくるな。

 考えるのと行動するのは訳が違うわ。

 心臓がいつもよりもバクバクしている。

 命令を解除していないのでカイトは沈黙を守ってこちらをじっと見ている。


 とりあえずの優先事項は……。

 ちょいちょいとジャケットの裾を引いて(かが)んでもらって目線を低くしてもらう。

「ゴメン。とりあえずここに座って、で目(つむ)って、ちょっとだけ待ってて」

 小声で耳元に手を当てて(ササや)く。


 まずは見てまずそうなものをかたづけよう。出発するときに脱ぎ散らかした服、他にもちょいちょい目に付いたものをサッサッサッと。

 それとカイトの分の布団も用意しないと。ヨーロッパに出張でお父さんいないから部屋を借りるって選択も有るけど、目の届くトコにいないと激しく不安だ。それと自分の寝巻きとかを用意して父さんの部屋からワイシャツを一枚取ってきて……。


 えーと、あとは。普段クーラー使わないし、リモコンも借りてこないと。

それとお風呂も沸かして置かないと。


 よし! 大体は大丈夫だ!……たぶん。


 肩をポンポンと叩いて再度耳元で小声で話す。

「大体準備終わった。ドア閉めてるから小さい声なら聞こえない。話すときは極力声抑えて。あ、それともう目開けていいよ。それとジャケット貸して乾燥機にかけるから」


「わかった」

 端的に答えてジャケットを私に手渡す。


 ん……? 何かこの重みデジャヴ……。


 あーなんかそういや 。 

『あー隠しナイフとか 拘束錠(こうそくじょう)とか色々だなッ☆』


 ……うぉう。


「………。すみませんジャケットから物騒な物を抜いてこっちの(かご)にでもいれておいてください」

「……。そうだな了解」


 はい。サクサク色々手早く進めましょー


 …………! あ。

 そうだ。音楽を少し音大きめにかけよう。

何にしよう。そうだな、お気に入りのサウンドトラックのCDをコンボに入れて……少し安心する。

 これならちょっとは声が音に紛れるだろう。ていうか空間遮断がどこまで通じるのかがわからないのがきついな。

 外なら多少変な目で見られても我慢すればいいことだけど家はマズイ。明日は絶対実験必須だ。


 あーでも。第三者が必要不可欠だ。

問題は知らない分も含めて山積みだな。たぶん。


 ……うあー。ちょい待ち。マズイ……! 目前に大きな問題が存在している。


 お風呂だ……!


 ウチの洗面所とお風呂は 隣接(りんせつ)している。

つまり、誰かが洗面所を使うときはかなり近くに誰かが来る場合の可能性が高い。

 そしてそれは“カイトが入っている間にドアの近くに座って待つ”という選択ができないということを意味する。それはつまり……一緒に浴室の中に入らなければならないということだ。


 これは話し合いが必要だわ。説明するのもかなりの気まずさを感じる……。


 誰か助けてー。へるぷーへるぷー。


 ……ダメだ。思考を 放棄(ほうき)したら終わりだと首を振る。


 えーと。まず私が先に入って、カイトには部屋で待っててもらう。

それでカイトが入るときは私が服を着て浴室の(はじ)っこで座っとく。


 うん、これしかないな。


 この旨をカイトに伝えると、カイトの眉間に(しわ)がよった。

なんか心なしか怒っているような……。

 いや。でもこうする他ないんですよー マジで。


「おい。さすがにそれはマズイだろ。お前女だろーが!!」

 小さい声なのにものすごい圧力を感じる……。目が()わっている、目の前で正座しなければならないような空気だ。


「前はタオルで隠してもらいます。それに色々説明しないといけないこともありますし」

 そうなんだよ。蛇口とかスイッチとかノズルとか壊されても困る。私そんなにお金ないです。

「お前危機感あんのか」

 やばい火に油なのか。どこのポイントだ。


「どうでしょう。おこちゃまですから」

 あ・やばい口が滑った

 つい売り言葉に買い言葉で……。

 背筋にだらだらと冷や汗が流れる。


「お・ま・えはー!!」

「い、いひゃい いひゃい ほっへひゃ ひっはらはいで~」

(痛い、痛い ほっぺた 引っ張らないで)


 マジで痛い マジで痛いってばーッ。力強い強すぎだって。


――数分後 なんとか手を離してもらえた。もう既に涙目だ。



 その後なんやかんやと説明し、(なだ)めすかし、今までの恩のことをほのめかし了承を得ました。




……精神的にゴリゴリHPが削られたよ。私のライフはもうゼロよ。



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