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ある日の午後  作者: ラゼル
Chapter 1
10/72

ちょっぴり歪んで でも愛おしい

今回はコメディ少なめ

のんびりゆったりだらだらーとした感じです。


わー10話目なのにまだ1日目が終了して無いよー。


改札を抜けて階段を下りる。

ウチの駅周辺は地面ではなく橋の上を電車が走っているので空が近い。


 台風一過という感じに晴れ間が覗いている……なんか気が抜ける。 

さっき降ったばかりでだいぶ気温が下がっている。駅前の時計台についている気温計の温度が朝と10度も違う。打ち水効果かな? バケツをひっくり返したみたいな雨だったもんなぁ……。


 んー今日は駅まで自転車で来たんだったよなぁ……。

 私の力じゃ二人乗りは絶対無理だ。だって昔後ろに女の子を乗せた時はよろよろして危なっかしい事この上なかった。

 カイトの国は自転車あるかわかんないし、似たようなものがあったとしても乗り方が違うだろう。

 小さい頃に親に乗り方を教えてもらうとかを経て身に付くスキルだよね。

おっきくなってから練習って体が重くなってて練習しにくいし。


 スケートやスキー、体操も身長が伸びて体重も増えて、その所為で筋肉に負荷がかかって、今までどおりに出来なくて悔しかったなぁ……。

 ……まぁ親から頂いた立派な足があるのですから、徒歩でいきましょうか。荷物は前かごに入れちゃって と。


 あ。電車内と比べて暖かいし……

「ジャケット返します。ありがとう」

「いえいえ。どう致しまして」

 お互いに、にっこりと微笑み合う。

 えへへ。なんかちょっと慣れてきたな…沈黙が少し嫌じゃない。


「ここからどれくらい歩くんだ?」

「そうですねー。徒歩だと15分……」

「……?」

首をかしげている……。まさかここまで高性能に翻訳されておいて単位は違うのか? それとも“分”という意味の役割を果たす単語があっちには存在していないのか。


「そうですねー。さっきの乗り物に乗ってた時間の半分の半分くらいです。」

「そうか。しかしほとんど会話に支障が無いから気にはしないが、ちょこちょこ通じないな。こちらに存在していないものにはその役割の言葉が無いから訳しようが無いのだろうな」

「みたいですね。外来語も通じてないみたいですし、日本語限定なんて、ツッコミどころ満載ですね」

「だなー。だけどやっぱり原因解明はできそうにないし 少しずつわかることが増えていくといいな」

「前向きですねー。」

「おう。 昔からいろんなことを経験してきたからな……

大体のことだったら持ち直す自信があるぞ。」

あ、遠い目だ。何か周りに強烈な人でもいらしゃったのだろうか?(←当たり)


「でも 夏だからパンツも髪も乾きましたけど、ジャケットと靴はまだ濡れてますね。パーカーも少し湿ってるかも……

 家に着いたらお風呂に入らないと風邪ひきますね。お湯沸かさないと」

「風呂!? お前の家お金持ちか? 普通風呂なんて置いているのはかなりの物好きか殿下並みに身分が高いヤツらだぞ」

 あ、お風呂の習慣はあるのか。


「いえ、多少は恵まれていますけど大金持ちってわけでもないです。

 日本は四季といって 春夏秋冬(はるなつあきふゆ)で季節によって気温の差が激しく、冬とか寒くてお風呂につからないとやってられないんですよ。それが理由って訳かは知りませんけどウチの国は家にお風呂が付いているのは一般的です。一人暮らしでお金があまり無い人は銭湯といって共通浴場を使う方もいらっしゃいますよー」


まぁ、他の国だとバスタブが一般的でないところも多い。昔留学したときとか普通の一軒家にプールが庭にあるのにバスタブがないということにびっくりしたものだ。

 日本人はお風呂が好きな民族である。夏はあまり使用しないが……。

っていうかあっさり殿下って……そこそこ上どころでなくかなり上に属してたんじゃないだろうか。

 オイオイ、帰れなくて大丈夫なのか? まぁどう帰るのかなんて方法も探しようがないのだけど。



 私は特別なチカラを持った家系ではたぶんないし、アリスみたいに穴に落ちて不思議の国へなんてこともないし、テンプレで何か目的があって 召喚(よば)れたわけでもない。

 きっかけすらわかっていない。


――――でも、ねぇ。 カイト ごめんね


 こんな不思議な体験ができたのはカイトには悪いけれど少し嬉しい。

だってこの世界ではカイトは私に頼るしかないし、特別で絶対的だ。まぁ嬉しいのはそれだけが理由ではけっしてないけれど。


 家族や親友ともまた違った特別


 私にとって両親や弟は特別だ。たぶん両親にとっても私たち子どもは特別なんだろう。でもやっぱり実感はない。だって私は父さんや母さんとは違う人間だ。別の意思を持っている。


 私を特別な位置におかざるを得ない状況だからそうなってるに過ぎないけれど

 わかりやすく“特別”なんだ。



「ねぇ カイト。私カイトに会えて嬉しいよ」


 一瞬きょとんとして 彼は微笑む(わらう)



「……ああ、俺も。」

んー。

たまにはこうゆうちょっぴりシリアス


シリアスになってますかね?

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