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エモーション

作者: 千帆

俺は…………自分の感情だけを頼りに生きてきた


そのせいか、友達はかなり少ない


まぁ、そのほうが楽だし


お互い気ィ遣わねぇ奴とつるんでるほうが楽しいに決まってる


隠し事だとか嘘だとか

………………めんどくせぇ


俺そぉゆーのうるせーかもよ?


なんせ、感情だけで動いちまうヤローだからな


笑えると思ったか?


俺の性格はそんな笑いごとのレベルじゃねーよ?


なんでこんな話しをしてるかって?


すぐにわかるさ―――




3日前、俺がバイトから帰ったときのことだ


俺は2年前、田舎の実家が嫌で上京してきてから一人暮らしだ


実は今は彼女と住んでいる


まぁ、俗にいう同棲ってやつだな


たまたまバイトが早めに終わったからさ、急いで帰ったよ


あいつが喜ぶと思ったんだ


けど………


玄関のドアを開けた瞬間、妙な違和感を感じた


その違和感にはすぐに気付いた


あきらかに男物であるスニーカーがある


俺のじゃない


新品でもなさそうだし、あいつが俺のために買ってきたとは考えにくい


これから目の当たりにする出来事は容易に察しがついた


そして、的中―――



あいつと、見知らぬ男が抱き合っていた


『おぃ、亜美』


あいつは信じられないとばかりに目を見開いた


「優ちゃん……なんで」


『お前なにやってんだよ』




それから何が起きたのか、覚えていない


ただ生まれて以来こんなにキレたのは初めてだったのはわかる


我に返ったとき、あいつは床に倒れていた


男はいない


よくみると俺は手にナイフをもっていた




俺はそこまであいつを愛していたのか?


自分でも不思議に思う


だが、その答えはYesだ


俺はあいつと2人でいたかった


誰にも邪魔されない場所で






俺は今、2人でいるよ


あいつと


2人きりだ


生きることと引き替えに


幸せを手にいれた






感情だけで生きることも

悪くはねえだろ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 救いがないですね…。 愛故の狂気。ありそうで怖いです。
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