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50日目・なんなんだよ

すいやせん、まだまだ過去編続きますわ

アーサーはマリアはそんな優しいやつでもなんでもなかったのだとすぐに気がつくこととなってしまった。


「その弟子の両親、私が殺しちゃったんだ…」


その言葉で空気が凍ったような寒気がした。


「…は?」


無言を貫こうとしたアーサーも口から声が溢れてしまった、それほどの衝撃と怒りだった。


アーサーは小さい頃から母を亡くし、父には見捨てられ相当な幼少期を送っていた。


だからこそわかる。

その弟子()がどんな思いだったのかを。


「お前ふざけてんのか?自分の弟子の両親を…」

「ふざけてないよ、悪意もなかった。」

「は?」


平然とそんなことを語ろうとするマリアに今日初めて、一番の怒りを覚えた。


「私のことを少しでも知ってもらうための話だよ?少しだけ…聞いてくれないかな…?」

「は?なんでだよ………

いやでもまぁ少しなら聞く、5分で終わらせろ」


最初はアーサーも断ろうとしたがマリアの弱々しく潤む瞳を見てなんとなく少しだけ聞いてみようと思った。


それはマリアの戦略なのかもしれないと思いながらも何か訳があったのかもしれないという希望を望んでいた。


「ん、ありがと

それでなんだけどね…10何年か前かな?」


そう言って長い昔話をマリアは始めた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「マリー、あんた王都の魔法学校通いんさい」

「魔法がっこぉ?行く訳ないやん」


"マリー"はマリアの愛称である。

そんな愛称でマリアのことを呼ぶ者は限りなく少ない。


その中の1人であるマリアの母、エルザ・ノアが放った言葉はあっさりと流されてしまった。


「だってあんた魔法の才能ぜぇぇぇぇぇたいあるわよ、しかも見てよ〜!授業料が無料!」

「あんなぁ都会の人とは比べ物になんないくらいの小さい魔法やから、あと最後の無料目当てやろ」


マリアたちが暮らしているのはノワール王国の王都へ行くために片道2週間かかるほどのど田舎。


そんな田舎で魔法が伝わる訳もなく使える人はほぼいない、だがマリアだけは違っていた。


今、16歳のマリアがもっと幼い頃、エルザが読み聞かせた魔法の絵本を真似して詠唱してみると難なく魔法を使えた。


それはもう大混乱で危うく家が火だるまになるところだったという。


母のエリザはそんな田舎に何十年も住んでいるせいか、なぜなのか"無料"という単語に対して異常に反応してしまう。


それが損しかないことであっても無料であればなんでもやりたいと思ってしまう、実の母にこんなことを言うのもあれだがなんらかの病気なのではないかと思い始めている。


「まぁまぁお母さん、マリアだって16歳と言ってもまだ子供だよ。1人で王都までなんて…」


いつもは押しが強い母に対抗できない父も参加してきてくれた。


「えぇでも絶対マリアは強くなったら良いお仕事について稼げr…人生経験になると思うのよ!」


(聞こえてましたよ、お母さん)


そんな母親にため息をつきながらも、あっちへ行ったら一切連絡をしないという約束を取り付けて学園へと入学することとなった。


もちろん能天気なエリザは浮かれてそんなこと深くは考えていなかったが、卒業するまでの約3年間は絶縁するという意思表示なのだ。


それに気がついていた父はおろおろとしながら青ざめもう一度エリザに説得をしようと思っていたようだったが気の強いエリザにはやはり敵わなかった。


「じゃあもう支度してくるから…」

「はーい手続きこっちでしとくねー!」


この時マリアは思った。

王都の魔法学園、こんなど田舎娘でも入学できるほどってどういうことなんだ?と。


エセ関西弁みたいなの使ってすみません

田舎なんて思ってません

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