4日目・救った
万引きはんだと思われて事情聴取している途中に
なんとコンビニ強盗が!
「さっきの音は私も聞いたことがあるなぁなんだっけ?強盗が来たとかいって店長さんも出て行っちゃたしなぁ」
静かな部屋でエリスは独り言をしている。すると、急にひらめいたという顔をして応接室から飛び出した!
「―さっきのは銃声だ、、、!」
あちらの世界では何も魔法だけが、使われているわけではない。料理をするためにナイフだって、戦争を引き起こすために銃だって使う。エリスはたまたま銃の音を聞いたことがあったのだ。
扉を開けるとさっきの店員が手を耳の高さくらいまで上げており、他の客はしゃがんでぶるぶると体を震わせている。
そして、レジの方を見ると顔を仮面のようなもので隠して全身黒い服を着ている強盗犯が店長に銃を向けている。店長は震えながらもレジの中の札を必死に強盗犯のものであろう袋につめている。
「強盗とはこのような奴らのことか」
エリスの世界でも、貧富の差が激しくあり店に押し入って食べ物や防具を盗んでいく冒険者が多く居たものだ。
「お前!裏に隠れていやがったな。」
出て来たエリスに気づいたようで、強盗犯が話しかけて来たのだ。すると、脅すためか立っていたエリスの横に目掛けて撃ってきたのだ。
「そんなので私が怯えるとでも?」
すると、何やらかっこいいセリフを言ったかと思えば立っていた場所から急に消えてしまった。
そこには転移魔法を使ったであろう魔法陣の形跡が、、、
「!?」
強盗犯がとても驚いた様子でうろたえていた。
すると気づけばエリスは強盗犯の後ろに立っており、またも魔法を発動させた。
すると、エリスの持っていた杖の先らへんに水が溜まり始め、強盗犯に向かって放たれた。
それは落ちることなくスライムのように体にまとわりついた。
「凍てつけ」
体にまとわりついていた水は瞬時に氷に変わり、強盗犯は身動きを取ることができなくなった。
最後の足掻きとように銃を店長に向かって撃とうとしたため、エリスはまたも杖を向けた。
銃の素材は土のようになり、強盗犯の手の中で砕けてしまった。
これらをほぼ無詠唱でやってのけるエリスは少しコミュ症で自信ありげな天才なのだ。
「ふぅ」
エリスがため息を少しついてから周りを見渡すと、さっきまで震えていた店員が涙目になって近づいてきた。
「ありがとう、、、本当にありがとう」
最初に肩を掴まれた時とは比べ物にはならないほどの優しい力で肩を揺さぶられた。
「当然でしょ?」
少し見栄を張ったが、いつもならあまり助けない。
パンを食べさせてくれた店長への恩返しなのだ。
「じゃっ私はもう行くわね」
先程までは魔法が使えることがバレても別に良いかと思っていたが、どうやらこの世界では使えないと言うことがわかった。そして、豪族のような野蛮な人もいて戦争も軽々と起こる。
そこでやっと焦り出したエリスは不自然なほど急に帰ると言い出して去ろうとした。
「ならこれを持っていきなさい」
ずっと固まっていた店長だったが、やっと動き出した。するとたくさんのパンを持たせてくれた。
「、、、ありがとう。じゃあもう行くわね」
無愛想にエリスは去って行った。
エリスは生まれてからずっと親がいない。親のような存在の人はいたが、、、愛想の付け方、人との接し方がいまいちよくわからないのだ
「うまく、、、お礼できてたかな、、、」
そう、エリスはちょっぴりコミュ症な天才なのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エリスが去った少しあとに警察がコンビニに到着した。店長や中にいたお客さんは警察に事情聴取を受けている。
だが、1人の刑事がこの光景に釘付けになった。
「これは、、、一体?」
それは、エリスが氷漬けにした強盗犯だった。
魔法を使えるようになりたいです。




