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43日目・城の中は暗い

アーサーはギルドからノワール城へと向かっていた。禁術の書を国王から盗むためだ。


城の門の前には2人の傭兵が立っていた。


「アーサーさん!顔色が悪いですけど…大丈夫ですか?」


門の前へと行ったアーサーに声をかけたのは顔見知りの傭兵だった。


アーサーが国王へと報告をしにいったり、招集がかかった時に何度か話すようになった。


もう片方の傭兵はアーサーの雰囲気に圧倒されているのか恐怖しているのか目すら合わせていなかった。


(少ししか会ったことのない彼からみても俺の顔はおかしく見えるのか…)


「大丈夫ですか?無理なクエストでも…」


アーサーを心配して傭兵は近くに駆け寄ったが、アーサーはそんな彼の頭目掛けて横からパンチを喰らわせた。


「?」


殴られた彼は何が起こったのかわからないと言うように自分の頬を右手で押さえた。


「おい!何してるんだ」


先ほどまでそっぽを向いていた傭兵も殴ったことでこちらへと飛んできた。


そんなことなんて関係ないかのように、もう1人の傭兵も右足で腹部めがけ蹴った。


傭兵の腹部からはボキっという鈍い音が鳴り、途端に傭兵の押し殺した低い叫び声が響いた。


「な、なんでアーサーさん…?」

「ごめんね、自分がやりたいことができたんだ。」


それはアーサーなりの国王への、国への反逆の意思とも言えるのだ。


アーサーは腰が抜けてなかなか立つことが出来ない彼の頭を上から蹴り、意識を失わせた。


「さすがに城の門に傭兵2人は舐めすぎだろ」


アーサーの顔には余裕の笑みというものが映っていた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「おい、禁術の書はどこにある」


門を突破し城の中へと入ったアーサーは次々と兵たちをなぎ倒して行ったが、禁書がどこにあるかはわかっていなかったのだ。


「知っていても言うわけがないだろ!」


アーサーに聞かれた傭兵は当たり前のようにそう返すが、アーサーはため息をついてこう言った。


「なら王をぶっとばして聞くしかねぇな」


自分の選択のせいで王に怪我を負わせるだなんて、ただの傭兵がやれば重罪だ。


「…地下の図書館の金庫にある。

鍵はこれだ。」


ここにくるまでにアーサーは何人もの傭兵たちを殺す、重傷を与えるなどしている。


そんな大罪人とも言える者に自分が破れるなど考えたくもなかったが、傭兵に与えられた優先順位は王の護衛。


そのためしぶしぶ鍵をアーサーへと投げたのだ。


「あんがとよ」


アーサーは軽い感謝をし、地下にある図書館へと向かおうとした。


それをみて傭兵は自分は殺されずにすむのだと安堵したのもら束の間、アーサーは足を止めてこちらに振り返ってきた。


「そーいえば」


そう喋ったと同時にアーサーは傭兵の前に現れ、腰にある剣で傭兵の腹部を切った。


死にはしないだろうが、出血多量でもしかすると死ぬかもしれないというくらいだ。


そうしてアーサーは口笛を吹きながらもう一度向かおうとした。


「はぁはぁ…まて、アーサー・ディオルド!!」


息切れをさせながらアーサーの行手を阻もうとするのはこの国の最高権力者である、12代目国王ノワール・アルセイヌだった。


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