41日目・仲間
「だけどどうやったら…」
アーサーは二つの世界を融合させようと考えた。
だが古代魔術を使うためには多くの知識が必要とされているのだ。
多くのエネルギーを使う魔法にはそれに伴っての知識が必要になってくるため、死者蘇生の魔法は人の生きている中で知識を知り、使うこと不可能とされている。
それに加えて世界を繋げるための魔法などないため自分で新しい魔法を創造するしかないのだ。
それならば魔法学を学び知識をつけなければいけない。知識を蓄えようとするだけでそれほどの時間がかかるのだ。
「生きている内には絶対にできない…」
それならばと思いついたのは他の禁忌魔術だった。
その魔法は自分の体を不老不死にすることができるというものであり、今では禁忌魔術として王が他の禁忌魔術と保管している。
「3人に相談してみよう…かな」
3人というのはリズやレイナ、ウィルのことであり、いつも相談相手になってくれている3人なら良い答えを教えてくれると思ったのだ。
その反面、世界を融合させるなんてことはもってのほか、守る側だったアーサーが人間を殺すなんてことを言えるわけがないとも思っていた。
「3人はまだギルドにいるかな」
解散とは言ったものの、一番最初にギルドから出て行ったのはアーサーであるため3人があの後どこに行ったかわからない。
さらに解散してから調べていると2時間ほどたっていたためいるかすら分からなかった。
「とりあえず行ってみて、いなかったら明日言ってみよう。」
できればこの思いをすぐに誰かに打ち明けたい。
いなければ家に行って話そうかとも思ったが人を殺してしまってもアーサーの中にある思いやりの心はなくならないものだ。
そう言ってアーサーはギルドへと帰ることにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(アーサーが行ってから2時間くらい?全然話がまとまらないわね…)
勇者パーティーの魔法使い、リズ・マーガレットは大きな声が飛び交う中で1人悩んでいた。
「2人とも…分かっていますよね…」
アーサーがギルドから出ていったあと、レイナはすぐに2人に話しかけた。
「あぁ」
「…うん」
力のない声で2人は答えた。
これから先どうすれば良いか、そんな話し合いを3人でしたかったのだ。
「アイツのあの顔見たでしょ…?
やっぱり私たちはこのことが表沙汰になってもいつもと同じように接すればいいんだよ、きっと」
「だが、国民から見たらどうだ?
人殺しが民を守る。必ず安全だと信じられると思うか?」
リズはアーサーを想うように言った。
けれどウィルは現実はそんなに甘くないのだと突きつけた。
自分たちが許しても世間が許してくれないのだ。
それほどに人を殺すというのはしてはならないことであり、法で禁じられないのが不思議である。
「でも…アーサーさんは正当防衛なんじゃないんですか?だって奥さんと娘さんを…」
「…それもそうだ。だが真実がどのように広まるかはわからない。」
3人は黙り始めた。
どうやってもアーサーがしてしまったことは変わらないからだ。
「おーいみんな!いるか」
そんな空気の中でも大きく元気のある声で言ったのはアーサーだった。
「アーサー!?」
リズは驚きながら勢いよく立ち上がった。
そのせいで椅子が倒れてしまった。
「なんでここに…?」
レイナは恐る恐る聞いた。
先ほどまでの話を聞かれていたとなればアーサーを図書館へ行かせた意味がなくなるからだ。
「実は3人に相談があるんだ。」
先ほどまでの元気のないアーサーとは違い、今は情緒が少しおかしいと感じるほどの元気さでとてつもない違いだった。
だがアーサーは本当に狂ってしまっていたのだ。
人を殺すことで人を蘇らせるのならばそれは良いことなのだと考えていたからだ。
「一緒に国王が持ってる禁術の書を盗んでほしいんだ!」
アーサーが発した言葉によってギルド内の空気は一気に悪くなった。
国王から盗む。思考回路はどうであれそんなことを考える、それほどまでにアーサーは狂ってしまったのだと3人は悲しくも知ってしまったのだ。
禁術の書っていうのは、いろんな禁術がまとめて書いてある本のことです。(王が保管してる)




