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異世界の魔法使いは特殊警察官になりました。  作者: 友人A
3章・暗殺者ギルド「夜の蝶」
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36日目・お姉ちゃん

「そうですねぇ私は」

「マリア、、、お姉ちゃん、、、?」


気がつけばエリスは立ってマリアたちの方を向いてしまっていた。


「アァ?こいつ誰だ、、、?」


男はエリスを睨み、低い声で威嚇をしてくるのにも関わらず1人だけ反応が違っていた。


異世界人とは思えないくせのある茶髪の髪の毛に輝く黄緑がかった瞳。


エリスが言っていた"マリア"という魔法の師匠のなのだろう。彼女は突然現れたエリスに対して動揺を隠しきれず立ち尽くしていた。


「、、、エリ、ちゃん?」


そんな彼女はやや疑問系のような形の言葉を発した。

無理もないのだ。エリスと彼女が別れたのはエリスが小さい頃、つまり今の年齢が16歳のエリスとは10何年ぶりとも言える。

歳月が流れる中で顔が変わる。それに加えて何年も前のことを記憶しておくのは難しいことだ。


「マリアお姉ちゃん、、、なんでこの組織と、、、」

「エリちゃんこそ、なんでここにいるの?

だってここはあっちの世界じゃないでしょう」


エリスはとても驚いた。

子供の頃に別れてから、親代わりの人が生きているかもわからない状況で過ごしてきたというのに、その人は今ここにいるのだから。


だが、それはマリアも同じだった。

世界が分かれているというのをこちらの世界に来たことで知り、エリスはあちらの世界で楽しく過ごしているのだと思い込んでいたからだ。


「おぉいマリア、こいつと知り合いかよ」

「い、いや」

「お姉ちゃん!!」


そんな男からの問いかけに対してなんと言えば良いのか迷っていると、エリスの透き通った声が響いた。


「あのね、私今ね警察官をしててね、、、

楽しいんだよ!梶原さんっていう人がお世話をしてくれてて、、、なんで、お姉ちゃんはそんな犯罪組織と一緒にいるの、、、?」


最初は楽しそうに話していたが、それは自分の目の前に突きつけられる現実を受け止めきれずに溢した現実逃避のような物だった。


大好きで尊敬する師匠が、なぜこんな犯罪を起こす者たちと一緒にいるのか。

エリスは理解をすることができなかった。


「、、、そう。だからなんなの?」


エリスからの問いかけを無視して、少し悩んだあとに冷たく返してきた。


そんな返しを聞いてエリスは悟ってしまった。


(あぁ、もう昔のお姉ちゃんはいないんだ)


なぜこんな人といるのか、なぜここにいるのか、なぜ冷たくするのか、エリスにはわからない。

だからこそ諦めてしまったのだ。


「おいおいマリアァこんなただのガキに情なんて湧かすなよぉ」


この男はエリスとマリアが深い交流関係にあり、マリアの言葉にエリスが傷ついていたことを知っていてこんな確認のようなことをしているのだと梶原は気がついた。


「別に、、、情なんて湧かないですよ。

それよりこの2人、警察官ですって」

「あ?2人ぃ?」


「!?」


梶原はエリスと2人が話している中でも顔を、体を見せるなんてことをしていない。

声も出していない。そう片方の男に気がつからないほどには、、、


「一体どういうことなんだ。」


そう言って梶原も立ち上がってエリスの方へと向かった。


「うっわマジかよ、よく気がついたな」

「別に、魔法使いなら魔力感知なんて余裕にできるわよ。まぁできない子もいるけどね」


そう嫌味のように言いながらエリスの方を見るマリアは我慢をしているようにも見える強い顔だった。


エリスは下を向いており、こちらを向いて来ない。


(そう言えば、魔力感知なんてあったんだな)


エリスが魔力感知を使っているところは見たことがない。もっと正確にいうならば魔力感知が使えないのだ。


エリスは元から魔力量が人よりも多い。

エリスにも限らず魔力量が多い者は自分の魔力が強すぎて、微弱な魔力を感知することができないのだ。


それは魔法使いにおいて弱点になりうる物だ。

そんな所もかつてのマリアなら励ましてくれたところだが、今は嫌味として言ってくる。


それがさらにエリスの心を弱くしていった。


「マリアさん、あなたの話はエリスから聞きました。けれどお前は何者なんだ。」


梶原はそう言って男へと指差した。

すると男は心底落胆したような顔をしてエリスへと話しかけた。


「えーと、エリスだっけぇ

お前も俺のことがわかんねぇのか?」

「、、、知らないですけど」

「はぁあの王国も終わってんな、世界を救ったんだぞ俺はぁ」


エリスはそんな言葉に顔を引き攣らせた。

なぜなら、現在進行形で犯罪を犯している奴が世界を救ったと言っているからだ。


「聞いたことねぇのかよ。

魔王を倒した伝説のパーティーとかいって欲しかったなぁ。まぁそれも俺がこんなになった理由なんだけどな」


そんなことを笑いながら言っている男の言葉には既視感のあるものもあった。


「伝説の勇者パーティー、、、?」

「なんだ知ってんじゃねぇか。俺はそのパーティーの"剣聖"アーサー・ディオルド様だぞ」


それはあちらの世界でなら誰しも聞いたことのある名前。

魔王を倒し、世界を救った"始まりのパーティー"剣聖の名だった。



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