32日目・慌ただしい日々
梶原と京香は事情聴取を終えた後、梶原とエリスの連絡先を交換させて解散となった。
「いや、まさかエリスちゃんが魔法使いだなんて、、、」
京香は帰り道を歩きながら独り言を呟いた。
普段なら重要参考人としてもう少しとどまらなければいけないところを梶原のはからいで帰らせてもらえるようになったのだ。
(今思えばあの動画に映ってたのもあの2人だな)
慌ただしい時間が終わり、急に冷静になった京香は自分がとても簡単なことを見落としていたことに気がついた。
「もっとちゃんと写真見てれば、、、
まぁいっか魔法見れたし!」
後悔もありはしたが、結局は知ったということで自己解決をした。
なんなら魔法を見ることができたことにとても歓喜していたのだ。
「えへへ、今日は良い日なのか悪い日なのかわかんないな、、、」
そういって京香は日が沈み始めてだいだい色に染まった空に照らされながら家路を辿って行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
次の日の昼頃、ピンポーンという高い音が梶原の家に響いた。
「梶原さーん、お客さんです」
それに気がついたエリスが梶原に声をかけた。
客が来た時は、エリスの存在がバレないように梶原が出るようにしている。
だが、最近のエリスは留守番中に平気で外へ遊びにいくので梶原はあまり意味がないと感じている。
「ありがとう、今行くー」
梶原の声が奥の部屋の方から聞こえてきた。
休日もそうだが、昨日のことについて始末書を書いていたり、今回のことについて自分でまとめたりしているのだ。
梶原がやってきて玄関へと行き、ドアを開けた。
すると見えたのは見覚えのある顔、、、
「エーリスちゃん!遊びに来たよー」
それは正真正銘の京香だった。
意気揚々と話しかける京香を見て梶原はなんともいえない気持ちになった。
まだ、京香のことを信用しても良いのか確信をどうしえも持つことができない。
(京香自身はエリスのことを気に入っているようだが、、、)
「京香さん!」
京香の姿が見えるとエリスも玄関へテクテクと歩いて来た。
「エリスが家を教えたのか、、、?」
「はい、、、だめでしたか?」
そんなことを上目遣いで言うものだから駄目だなんて言えるわけがない。
だが、エリス自身に上目遣いをしてる気持ちは一切ない。身長差的にそう見えてしまうだけなのだ。
「まぁまぁいいじゃないですか」
ここまで行くと図々しいと思わせるほどの態度で京香はエリスはと話しかけた。
「エリスちゃんにもっと魔法を見せて欲しくて来たんです!」
「そんなことのためにわざわざ来てくれたんですか!?」
京香の言ったことに対して驚いたエリスだったが、すぐに梶原の方を向いた。
その目はキラキラとしており、まるで「京香さんをお家にあげてもいいですか?」と言っている風に見えた。
そんな目をしてくるエリスのことは断れない。
梶原の中でもエリスに少々甘いなと感じてはいるものの、今ではすっかり親子のような関係とあってもいいと考えている。
(というかそう思いたい)
そんなエリスから頼ってもらえるのが嬉しかったのだ。
「分かった、俺は仕事をしているから2人で話していてくれ。」
ため息をついてから梶原は覚悟を決めた顔で部屋の中へと京香を通した。
部屋に入ってからというと、あんなに嫌がっているようには見えたもののしっかりと茶菓子やお茶を用意して客人をもてなしているように見えた。
「ありがとうございます、梶原さん」
「どういたしまして」
「ふふふ、もう少し信用してもらっても良いんですよ?」
まるでこちらの考えを見ているかのように言ってくる京香の顔はニヤついていた。
顔で読まれたのは警察官として不服だが、正直図星だったため梶原は黙って自分の部屋へと戻って行った。
「よし!じゃあエリスちゃん一緒にお話しよう」
「はい!なんの魔法がみたいですか?」
エリスは人に魔法を見せる機会がなかったためか少し浮かれていた。
だが、そんなエリスを見ていないかのように空気を変えた。
「ううん、魔法は大丈夫。それより昨日の話しよ?」




