30日目・3人で。
話に進展がなくてすみません。
「!?」
3人は思わず声のする後ろを振り向いた。
すると立っていたのは捕縛していたはずの男。
「なっ魔力はかなり込めたのに、、、」
それに対して1番驚いていたのはエリスだった。
どうやら魔法は込める魔力の量を変えることで威力も変化させることができるらしい。
「ふざけんなよぉ!」
そういうと男はこちらの方へと走ってきた。
すると、前に出てきたのは梶原だった。
「くっ」
殴りかかってきた男の手を止めるが、梶原の腕は震えている。
「警察だかなんだかしらねぇけどこっちは毎日死に物狂いで生きてんだよぉ負ける訳ねぇだろぉが」
たかぶりのあまりどんどんと力が上がっていく男を抑えるのに必死になっていた梶原が口を開いた。
「エリス、援護を頼む。そして京香さんは早く電話を、、、」
「「は、はい!」」
2人は梶原の声を聞き大きな声で答えた。
京香は冷や汗を垂らしながらも梶原たちの隣を走り抜けてスマホが投げられた場所でしゃがみ、スマホを探した。
エリスは杖を構え、男目掛けて魔法を飛ばそうとした。だが、男は梶原の体に隠れている。
(この状態で撃てば梶原さんに当たるかもしれなき、、、)
途端にエリスの手はプルプルと震えた。
後ろを向いた梶原がそれを見てエリスに声をかけた。
「いい!エリス俺ごと撃て!」
「うるせぇ」
梶原は男に投げ飛ばされ、椅子にぶつかった。
だがその言葉でエリスは我に帰り、男に杖の先を向けた。
「凍てつけ」
短縮詠唱を唱えると空中から無数の水でできた球ができ、男の体目掛けて打ち付けられたかと思えば、足元から凍り始めた。
「クソっほんとになんなんだよ!」
エリスはふぅと息をはきながら梶原の方を見た。
「よくやった、エリス」
「大丈夫ですか!?」
「あぁ大丈夫だ、少ししたら回復する。」
エリスは心底安心した顔で胸を撫で下ろした。
「京香さんは、、、?」
京香は2人の方へと近づいてきた。
「応援が来てくれると言ってました。近くのバス停で止まりましょう。」
「あぁそうだな。」
梶原が返事をすると操縦席へと向かい、運転を続けている運転手に声を掛けた。
「運転中にすみません。」
「いえ、それよりだ、大丈夫ですか、、、?とりあえず1番近いバス停で止まりますので、、、」
「はい、大丈夫です。よろしくお願いします。」
最初は怯えていたものの安心した顔で運転を続けた。
「京香さん、大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫でしたよ。梶原さんの名前を出したらすぐに応援を向かわせると言ってくれて、、、」
「良かったです。」
「はい、とても親切な方で、、、八重森さんと言っていました。」
京香がそういうと、エリスと梶原は顔を見合わせて笑った。
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「皆さん、ここであったことを聞かれた時は記憶が曖昧だったと言ってください。」
事情聴取をされた際にエリスの正体がバレないよう口止めをしようとした。
(一般の乗客は正直に言われても誤魔化せそうだが、、、)
梶原は京香の方を見た。
それを感じた京香が口を開いた。
「まさかエリスさんが魔法を使えるなんて、、、
もちろん誰にも言いませんよ!信じてください」
自信満々に言う京香への信用はないとと言えない。
結局、言ってしまったものは仕方がないものなのだ。
「そ・れ・よ・り〜エリスちゃん!もっと魔法見せてよ!」
「えっ!?」
憧れの眼差しで見てくる彼女の頼みを軽率に断るなんてエリスにはできなかった。
「い、いいで、」
「よくないに決まってるだろ」
食い気味に話を切ったのは梶原だった。
「ちぇ〜」
「そんなことよりも応援が来る前に少しだけこいつらに話を聞くぞ。」
そういって指を刺した方向には気絶して倒れている2人の男とこちらを睨みつけている男。
「今回のことについて聞かせてもらおうか。」




