25日目・知らぬ間に
今回の話は前回の梶原とエリスが夜の蝶について話した日の昼です。時系列がわかりにくくてすみません。はじめは探偵の話、後半はエリスと梶原も合流していきます。
京香は魔法に焦がれていた。
科学では作ることのできない魔法、それはいわば芸術ともいえるだろう。
それは京香にとって生きる価値だった。
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事務所内に鳴り響くキーボードを押す音。
そんな京香を今昂らせているのは一本の動画だ。
それにはミラの吐いた炎が映っている動画。
京香は魔法とはいえないものの、限りなく魔法に近いと思われるこの非科学的な出来事に頭がいっぱいだった。
「見たことがあるな、前々回の依頼だったきが、、、どこだっけかな」
動画の中に映っている建物をアップにして独り言を呟く。
「あっ!あの街か」
はっと思い出したかのようなそぶりを見せると、すぐにコートを羽織り走って事務所を出た。
街中を大の大人が走っているという光景はさほど珍しいものなのか、たくさんの人が京香を見つめる。
(1番近い駅ってどこだぁ?)
そんなことは全く気にせずに京香はバッグからスマホを取り出して1番近い駅の場所を調べ始めた。
京香は探偵としての依頼以外では基本的に外へ出ないため場所なんてすぐに忘れてしまうのだ。
「ここか」
駅に着くと走って改札を通り、ギリギリ電車に乗り込んだ。
「ふぅギリギリセーフ」
椅子に座りながらはぁはぁと息を切らして、スマホを触る。
(確かここはコンビニの近くだったはず、、、)
駅に着いてからのルートを調べ上げてやっと京香は体の力を緩めた。
目を瞑って仮眠を取ろうとするが顔のにやにやは止まらない。やっと非科学的なものに出会えたのだから。
(あの炎の跡とかあるかな♪)
内心うきうきな京香は電車に揺られながら眠った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「…次は〜…駅〜…右側です」
「うぅん、そろそろかなぁ」
眠りから覚めた京香は電車のモニターを確認した。
「おっラッキーちょうどだ」
電車から降りると、ナビを起動させて歩き始めた。
のにも関わらず、、、
「え?迷った?えっどうしよナビの通り進んだのに!?」
京香は駅から数分で迷ってしまった。
はぁと大きいため息をついたがもう遅いのだ。
「どーしよぉー見たいのに!絶対見たいのにぃ」
もう京香にできることは大きな声で後悔と悲しみを叫ぶだけになってしまっていた。
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「あの〜大丈夫ですか?」
それは男女2人組、片方は大柄の男性でもう片方は小さい女の子。
「す、すみません、久しぶりに来たので迷ってしまって、、、」
いきなりのことでびっくりした京香は噛んでしまった。
依頼以外では人ともあまり喋っていなかったため、厨二病が進行していたが、もともと京香は人見知りなのである。
「そうだったんですね、良かったら案内しましょうか?いいよな、エリス」
「はい、大丈夫ですよ!」
(なんて優しいんだ、、、)
人の温かさに触れた気がした。
京香は何度もその2人にお辞儀をして感謝を伝えた。
「私は水原 京香と申します。
お二人の名前を聞いてもいいでしょうか?」
京香は赤の他人に案内を頼むのはな、、、と思い名前を聞いてみた。
「俺の名前は梶原 祐希といいます。こっちはエリス」
小さい金髪の女の子の頭を指さしてその人は言った。
「よ、よろしくお願いします!」
こうして京香は知らない間に魔法を使う者と知り合ってしまったのであった。
面白い物語ってなんだろ




