23日目・#拡散希望。
エリスの使い魔であるドラゴンのミラはひったくりの顔に向けて魔法を放ってしまった。
周りにはたくさんの人がいて、、、?
なるべく人通りの少ない道を通りながら2人と1匹は家へと走った。
「どうしましょう、梶原さん!やられちゃいました。」
慌てながらエリスは言うが、それ以上に焦っていたのは梶原の方だった。
エリスにはスマホの使い方として連絡の仕方しか教えていない。そのため、この世の中のSNSでの拡散などの恐怖を知らないのだ。
(おそらく動画を撮っている者が中にいた、、、
アップされればエリスたちの身元に不信感を抱く者が出てくる。)
もちろん動画が投稿されないという可能性もあるが、それ以前にあの多勢の中で魔法を見られているというのには変わらないのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ひとまず家に着くことができた。
「はぁか、梶原さん少しだけ休ませてくださいぃ」
息をはぁはぁと吐きながら言った。エリスには体力があまりないようだ。
(今度からランニングに連れて行こう)
そうは思うが、ランニングに連れて行けるかわからない。エリスの存在が世に知れ渡るかもしれないからだ。
ソファに座って休むエリスを放って梶原はスマホを開いた。
すると「魔法」「ドラゴン」「異世界」「奇妙な現象」などのワードを検索した。
梶原の思い当たるエリスとミラの情報を検索してみたのだ。
すると、出てきたのは一本の動画であり、街中で撮られたであろうもの。それをタップすると流れ始めた。
周りのザワザワとした雑音に加えてはっきりと映っていたのは、ミラがひったくりに炎を吐いているところ。
「、、、」
何も言えなくてなってしまった。
それは怒っているのでも悲しんでいるのではない、
絶望の顔だった。
だが、幸いなことにそれ以外に動画がなかった。
安心していいのかわからないこと状況で目に入ってきたのはコメントの欄。
「私も見ました!これがいわゆる魔法というものなのでしょうか?」
「俺もコンビニ行ってる途中見たわ〜これってなんなん?」
「マジックとかじゃないん?今日見かけたけど本当の火だったぞ?」
以外にもあの現場にいた多くの人たちがコメントをしていてとても焦っていた。
「へぇことわざっていうのがあるんだぁ」
すると、ソファでだらけていたエリスがつぶやいた。梶原は今まで気づかなかったがどうやらエリスは連絡以外にもスマホの操作方法を理解していたようだ。
日本について学んでいたのだろう。
「目には目を歯には歯を、猫の手も借りたい、、、」
「そうか!ありがとうエリス」
すると、梶原はエリスのつぶやきからアイディアが浮かんできた。
自分は何をしたんだ?という顔で見てきた。
「目には目を、だよな」
すると梶原は先ほどまでゆっくりとタップしていたのにも関わらず、急に動く指が早くなった。
すると、コメント欄に新しいコメントが出てきた。
「これCGですよね?」
「見ましたけど、下に装置があったのでプロジェクターで映し出されたものですよ。」
このコメントは梶原が打ったものだ。
すると、疑問に対する答えを求めていた人たちは少しずつ梶原のコメントを信じていき、なんとか有耶無耶にすることができた。
だが、正直な所はどうなるかわからない。
とにかく経過を見ることにした梶原と梶原の格闘を知る由もないエリスだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
深夜の部屋にカチカチというパソコンのマウスを押す音が響く。
「魔法、、、?」
ある動画を見てそうつぶやいたのは1人の女性。
「これは面白いな、コメントがいいように誘導されている」
ニヤリと笑う、彼女の名前は水原 京香。
街の一角にある小さな探偵事務所の探偵。
依頼人は少なかれど、探偵の推理力は見事なものだとレビューでは絶賛だ。
「このコメントか、、、同じ名前で違うことを言っているな」
そう言って画面を指でなぞった、それは梶原の2つのコメント。
「これCGですよね?」
「見ましたけど、下に装置があったのでプロジェクターで映し出されたものですよ。」
この2つの矛盾にいち早く気がついたのは彼女だった。
アイラブ美少女。




