13日目・覚悟を決めた顔
エリス以外の転移者がいると気付き、戻るエリスと八重森。これからのエリスの生活を任された梶原。
会議室での合流からのエリスのここで生きていく覚悟。
「はぁはぁ、ちょっエリちゃん、早っ」
(?)
ドアの向こう側から足音と八重森の声が聞こえてきた。どうやら八重森は走ったようで、息をはぁはぁと吐いていた。
「梶原さん!」
勢いよくドアが開いたかと思えばエリスが出てきた。
「戻ってきたのか、エリス。
ちょうど今話終わったところだぞ。ここに座れ、
八重森もな」
梶原の座っている隣の椅子をぽんぽんと叩きながら言った。そのあとに八重森が死にそうな顔でドアから顔を出した。
2人が座ると梶原は話し出した。
(ここからは俺の独断、他の刑事には情報を漏らさない方がいいか、、、)
「すまん、お前らは出てくれないか?
集まってくれてありがとう。」
他の刑事たちに目を向けるとコクンと頷き、出て行った。
―パタン
そんな音が鳴り止まるころには部屋に3人しかいない。
「それでなんだ」
「聞いて!梶原さん!」
梶原が話そうとしたところでエリスが話し出した。
「、、、話せ」
やれやれという顔で譲る梶原だった。
「さっき八重森さんとでーとしてきたんだけどね、私以外にも転移者がいるかもしれないの!」
活気に満ち溢れた顔で言った。
だが、八重森はデートという言葉にピクリと肩を動かした。
(エリちゃん、何やってるんだよお)
「それは本当か!?」
だが、以外にも怒られなかった。
気づかなかったのだろうか?
(エリス以外にも、転移者がいるなんて聞いていないぞ、、、もしそいつが他の国にいたら、、、)
そんなことを頭の中で考えていた。
(ただでさえ魔法という非科学的なことが起きているというのに、、、)
パンクしそうになる頭で必死に考えていた。
(エリスが政府にバレず、他の国とも戦争にならないようにして、元の国へ帰らす方法、、、あとデートってなんだよ。絶対八重森が教えただろ。)
普通にデートについては気がついていたらしい。
(思いついた、、、!エリスがバレずに世界に帰れる方法。)
「エリス、、、お前も警官として働かないか?」
「?」
エリスは頭を傾けてきょとんとした顔をした。
「その転移者がエリスと同じ国から来たのなら犯罪などをしている可能性が高い、食べるものがないから万引きとかしているかもな。」
自分の憶測を話すとはぁ?という顔で見てきた。
「なんで、犯罪起こす前提なの?
別にこの世界と知能は変わらないわよ!」
少し怒った風に言ってきたが、顔がかわいいのでいまいち怒っているようには見えない。
「知能レベルが違うなんて言っていない。
現にエリスが万引きをしたことで警察を呼ばれたらしいじゃないか。」
「ぐぬぬ」
何も言い返せなくて怒っているエリスと、
自分が悪いことを言っていると自覚していない梶原
(これを第三者の目線から見るのは実に面白い。)
少しずつこの2人を舐めていきつつある八重森だった。
「別に万引きや強盗以外でも良い。とにかく警官として事件と関わるんだ。そうすれば、その転移者とやらにも会えるかもしれない。
いなかったとしても、警察の情報網で元の世界に帰る方法を見つけられるとだろ?」
正直、最後のは建前だ。警察の情報を知るだけなら梶原1人でもできる。
(1人の警察として国を守りたい。
だが、1人の人間としてこの子を守りたい。)
自分の意見がまとまらない。だからこそ、自分の目の届くところにいてほしい。
「どうだ?エリス。存在を隠すことにはなるが、一緒に事件を解決しよう。」
正直断られると思っている。
魔法があれば犯罪をしてでも、エリスは生きていけるからだ。
「、、、いいよ。私なるよけいさつってやつ」
「本当にいいのか?」
なってほしくない訳じゃない。ただ、もう一度聞きたかったのだ。
「良いよっていったじゃん。私のことなのに、梶原さんたちにばかり任せてられないよ、、、
私頑張るからさ。」
下を向いていたエリスは梶原の目をして言った。
「あぁ」
「改めてよろしくね〜エリちゃん」
エリスが警察になるとは思っておらず、驚いた顔をしつつもいつもの調子で挨拶をする八重森だった。
異世界からやってきた魔法使い。エリス・ノアは
今日から警察官に就任する。
「よ、よろしくおね、、、よろしくね!」
これから敬語は取れていき、無い方が馴染んでいくのだろう。
エリスの日本での最初の職。
(頑張るぞ、、、)
心の中でそう言った。
ジト目のヒロインが可愛いんだ。
そろそろ新キャラ登場させたい。




