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聖女に転生したみたいだが逃げ場がないので今すぐやめたい  作者: 紫雲 橙


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 それが出始めたのはいつからだっただろう。

 それが出てからより一層覚悟が決まったのは確かで、守りたいと思うものを全力で守ろうと決意した。

 それが出てからは一時的な調子の良さを感じることが増えていった。

 それは、私の炎。それは、私の覚悟。それは、私の意思が反映されている。


 炎という新たな聖女の力。

 出始めた時はただ揺らめいているだけだった。その時も覚えていないのだけれどね。

 でも、きっと私がみんなを守るために強くなりたいと、巻き込むならせめて自分で守れるようになりたいと願った時だったと思う。

 

 その炎が揺らがなくなったのは、私の願いが強くなった時。

 だから気がつくことができた。


 この炎は自分だけのものなのだ、と。

 そしてもう一つ……これは初代から聞いたこと。

 炎は覚悟に反応して出てくる。

 そして使いすぎるといけない、と。忠告をするために私の夢の中にきたのだ。


 夢の中に急にこられると驚くのでやめてほしいが初代には実体がないので仕方のないこと。

 よほど伝えたいことがある時にしかこないから、よほどのことだったのだ。

 使いすぎるといけない。それだけだった。だが、それだけで分かることはあった。


 命に関わること。きっと、炎は私の生命エネルギー。

 そうでなければ使用後の疲れやふらつくことへの説明がつかない。

 それに気がついてからは使うことは控えたのだが、私はこの先も使うのだろう。

 だって、守りたいものがあるのだから。前世から守りたいと思うものがあるのだから。

 世界を超えてまで会えたのだから。


 もう二度と手放したくないと願うものがある。

 もう二度と悲しい涙を流させたくないと願う。


 彼らは強いから私が守らなくても立っていける。それでも、守りたいと思うのはどうしてもそばにいたいから。

 それがわがままと言われたとしても、私はそれでいい。わがままにだってなるよ。また出会えた彼らのことに対してわがままにならないでいつなるっていうんだ。


 大切で、大事で、姿が変わっても変わらないって言ってくれる彼らに対して全力にならないでいつなるっていうんだ。

 使えるものは使うよ。私が強くなって大切なもの全部守れるなら、たとえ自分の命でも使う。


 炎に自分の命と意思が必要だっていうのなら与える。与え続ける。

 覚悟が消えることはない。覚悟を灯す炎を消さないために必要なものが自分の命なら、それでもいい。


 せっかく忠告してもらったというのに私はその忠告は破るのだろう。

 まあ、自分が本当に倒れないギリギリを狙うから……許してほしい。


 使い方も気をつけるから、どうか許してほしい。

 彼らの笑顔を見たいなら悟られないように元気でいないと、ね。

 

 ……絶対、まだ連れていかないでね。

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